みなさんはすっぽん料理を食べたことがあるでしょうか?
精のつく食材として、そして美容に効果的な食材として日本で有名なすっぽんですが、縄文時代の貝塚から見つかったこともあって、昔から親しまれてきた食材として知られています。
このすっぽんはだし汁がおいしいくて栄養が凝縮されるので、お吸い物や鍋料理として食べられることが一般的です。
また、すっぽんには天然ものと養殖ものがありますが、この二つの違いにはどういったことがあるのでしょうか。
市場に出回っていたり料亭などで食べられているすっぽんのほとんどは天然の物ではなく養殖のすっぽんだということをご存知でしょうか。
昔は天然のすっぽんが食べられていた時代もありましたが、だんだんとその数が減っていったことをきっかけに、養殖のすっぽんが食べられることが増えていきました。
今では需要を元に、養殖のすっぽんが多数出荷されています。
実は養殖することが簡単ではない、すっぽんを養殖することの難しさやその特徴についてご紹介します。
目次
すっぽんのイメージ
すっぽんと聞くと一度食いついたら離れない・・というイメージがあるほどあごの力が強力で、無理にはがそうとしますと甲羅の中に首を引っ込めてさらに強くかみついてきます。
なお、すっぽんはスーパーなどではほとんど販売されていない珍しい食材です。
専門の料理店でプロが料理するのを食べるのが一般的でしょう。
ですが、生きたままのすっぽんを養殖場から送ってもらうことも可能なようですね。
もし、ご自分でさばいてみたいという方はチャレンジしてみてもいいかもしれませんよ。
ただ、怪我をしないように注意してください。
すっぽんの栄養価とは
高級食材として有名なすっぽんですが、天然のすっぽんは非常に希少価値の高い食材です。
現在では九州を中心に養殖が盛んにおこなわれています。
すっぽん料理は国民食とまでいかないものの、特別な日に楽しむ料理として人気のある料理です。
その人気の理由はまるで鶏肉のようにあっさりとしている肉質と、すっぽんにたっぷり含まれている栄養価ではないでしょうか。
日ごろから栄養のバランスを考慮した食生活を送っていると体に必要な栄養を摂れますが、すっぽんには豊富な栄養素があるのでまとめて栄養を摂ることができます。
すっぽんの栄養の一つとして、アミノ酸があります。
アミノ酸は体の中で作られる栄養素ですが、すべてのアミノ酸を体内で作ることはできません。
その不足したアミノ酸はすっぽんによって摂ることができると言われています。
十分なアミノ酸を摂ることでコラーゲンを生成する効果が促進されますので、女性にとってはうれしいですよね?
さらに、多くの病気が予防できたりするので、アミノ酸は健康にも美容にも欠かせない栄養素だと言えますね。
天然と養殖の違いとは
どのような食材でも同じですが、やはり天然ものの方が養殖ものより価格が高いです。
その価格の違いは希少性にあります。天然ものの数が少ないからこそ高価になるのです。
しかし幸いすっぽんは養殖が可能な生き物です。
もし天然のすっぽんしか存在していなければ、気軽に口にすることができない食材だったことは間違いありません。
養殖技術が発達していなければ、ここまですっぽんが普及することはなかったでしょう。
天然のすっぽんの場合は、成長するのにとても長い時間がかかると言われており、5年以上経過したものでないと専門料理店で使用されることはありません。
しかし養殖のすっぽんはエサを与えられて育っているため、恵まれた環境で成長し美味しい味に仕上がります。早くて1年~3年ほどで市場に出回るようになっています。
天然と養殖のすっぽんの栄養素にはさほど変わりはないですが、市場に出回るまでに掛かる時間に大きな違いがあると言えるでしょう。
養殖すっぽんの難しさとは
養殖すっぽんを食用として育てることは実はとても難しいことです。
その理由はすっぽんは寒い場所が苦手で水温が冷たすぎると餌もなかなか食べてくれなくなってしまい、育たずに死んでしまうこともよくあるからです。
すっぽんを養殖で育てるためにはすっぽんを養殖できるような広い場所も必要ですが、すっぽんが活動しやすい水温などの環境を整えてあげることもとても重要なのです。
養殖すっぽんを育てるために適切な温度は15度から28度です。
野生のすっぽんでは冬はこの温度以下の場所にいるのではないかと思う方もいらっしゃると思いますが、野生のすっぽんは冬は冬眠します。
冬眠する期間も長いため、すっぽんが活動できるのは1年間で5ヶ月程度となってしまい、冬眠している期間は成長せずにゆっくりと4~5年かけて成長していきます。
養殖のすっぽんの成長が早いのは水温を上げておくことですっぽんを冬眠させないことが関係していて、通常は冬眠している期間にも餌を与え続けます。
それによってすっぽんの成長も早くなり、養殖を始めてから約1年間と自然のすっぽんと比較してかなり早い時期に食べることができる大きさに成長させることができるのです。
すっぽんは変温動物なので寒さに弱いですが常にこの温度に保ったり、冬眠するはずの期間にも餌を与えることで養殖すっぽんを育てるのはお金もかかりますよね。
養殖のすっぽんを育てるためには池の水の深さはだいたい50cm程度にして、砂も敷いてすっぽんが生活しやすい環境を作ります。
すっぽんは攻撃的な生き物だというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、実はかなり臆病な生き物なので静かな環境で綺麗な水を用意して養殖をしていく必要があります。
養殖すっぽんの味は?
養殖すっぽんの味の特徴は、野生である天然すっぽんと比べて独特の癖や臭みがないことです。
天然のすっぽんでは自然の川の中などで生活しているため、人の管理が行き届いている池よりも他の生き物の影響を受けたり、自然の水の影響を受けやすくなっています。
もちろん、自然のすっぽんに癖や臭みがあるから美味しくないという訳ではなく、すっぽん通の人はこの味を好んで食べることも多いです。
しかし、食べ物の好き嫌いが激しい人が最初から天然のすっぽんを食べると独特の味に慣れず、すっぽんを苦手だと感じてしまうかもしれません。
すっぽんは栄養価が高いことから美容にも健康にも効果的なので、この最初の時点ですっぽん嫌いになってしまうのはとてももったいないことですよね。
その場合は人が管理をしている水や餌で育ってきている養殖すっぽんから食べ始めると、すっぽんに対する苦手意識を持たずに済むはずです。
すっぽんの美味しさがわかるようになることで、養殖すっぽんも天然すっぽんもそれぞれの美味しさがあるということに気付いて、その味の違いを楽しむことができるようになるはずです。
まずは、初めてすっぽんを食べる人にも食べやすい養殖すっぽんからチャレンジして、すっぽんの味を知っていってください。
天然のすっぽんと養殖のすっぽんでは食感が異なり、養殖のすっぽんでは肉が軟らかくて食べやすいといった特徴があります。
歯応えの良い天然のすっぽんも良いですが、子どもやお年寄りのいるご家庭では軟らかくて食べやすい養殖すっぽんがおすすめです。
すっぽん料理の種類
今まですっぽん料理を食べたことがありますか?
すっぽんはスーパーなどではなかなか販売されていない食材なので専門の料理店で食べるのが一般的でしょう。
最近ではおうちで調理できるよう食べやすく加工しているものも販売されているようですが、丸ごと1匹買うことはほとんどないでしょう。
料理店で出されているすっぽん料理はほとんどがお鍋料理でしょう。
アツアツのお鍋の中にすっぽんのおいしさと栄養がたっぷりと濃縮されておりおいしいですよね。
スッポン自体の味と言うと鶏肉のようにコリコリした肉質で、一度食べるとそのおいしさにはまってしまう人がほとんどです。
見た目はグロテスクですが、お鍋に料理するときは食べやすいように切るためグロテスクという言葉からは程遠くなります。
また、スープのにおいがとてもいいため食欲が増進します。
すっぽん鍋の魅力には他にも美容効果があることです。
甲羅には豊富なコラーゲンが含まれており、お鍋料理にはそのコラーゲンがたっぷり入っているため、美肌効果が期待できますよ。
お鍋に入れるとコラーゲンがトロトロになり、手軽に大量のコラーゲンを摂ることができます。
さらに、蒸し料理でもすっぽんをおいしく食べることができます。
丸ごとすっぽんを蒸すことによって、すっぽんの臭みもなくなって見た目でも楽しみながら食事ができます。
このように、すっぽん料理は一般的に蒸し料理にしたり鍋料理にして食べるものが多いです。
焼くものもありますが、焼いてしまいますと栄養素が閉じ込められずにすっぽんの醍醐味が半減してしまうデメリットがあるからです。
やはり、すっぽんの栄養を逃がさないためには鍋料理や蒸し料理がおススメですね。
また、最後に雑炊として楽しむこともできるので一度食べてみてはいかがでしょうか?
他の雑炊とはちょっと違ったおいしさを楽しむことができますよ。
有名なすっぽん養殖場の特徴とすっぽん料理
有名な養殖所別に、すっぽんの養殖の特徴やこだわりをご紹介します。
若狭すっぽん養殖場
若狭すっぽん養殖場は、福井県にあるすっぽん養殖所です。
この養殖所の特徴は、何と言っても自然の豊かさや餌へのこだわりです。
場所は近畿地方の中でも最も水が綺麗だと言われている北川の上流となっているので、とても綺麗な天然水が使われていて、すっぽんの餌には若狭産の魚やうなぎ、天然ぬかが使用されています。
餌や水の綺麗さにこだわっているからこそ、若狭すっぽん養殖場では栄養満点で質の高いすっぽんを養殖することができています。
また、若狭すっぽん養殖場では環境に優しい温室があることも特徴の一つです。
ここで燃料となっているのは化石燃料ではなく、間伐材や木材の端材といった環境にも優しいものです。
良質なすっぽんを育てるのに適した環境がある若狭すっぽん養殖場で育ったすっぽんは安心して食べることができますよね。
若狭すっぽん養殖場で育ったすっぽんを使用したすっぽん鍋やそばは、通販で購入することが可能です。
つゆまでコラーゲンたっぷりのすっぽん鍋やそばを一度食べてみてはいかがでしょうか。
ナガセスッポン養殖場
ナガセスッポン養殖場は奥飛騨温泉郷の中の平湯温泉の天然温泉を活かしてすっぽんを養殖しているすっぽん養殖所です。
すっぽんは水温が高くなければ冬眠してしまい冬眠してしまえばその期間は成長が止まってしまいます。
しかし、ナガセスッポン養殖場では水温を温泉で30度以上に維持しているため、すっぽんが冬眠せずに1年半ほどで食べられるサイズに成長していくといった特徴があります。
ナガセスッポン養殖場のすっぽんには栄養価の高い練り餌が与えられています。
養殖を始めて1年半くらい経ってすっぽんが成長すると職人の手によって、ナガセスッポン養殖場ならではの抽出・精製方法でオイルを抽出して商品であるすっぽん球に仕上げていきます。
すっぽん球はできるまでの間にすっぽんを捌き、蒸し焼きにした後で粉砕し、粉状になったすっぽんとオイルを練って作った商品です。
ナガセスッポン養殖場の商品にはすっぽん球の他にもすっぽん粉末や、すっぽんドリンクなどがあります。
すっぽん鍋などは1回しか食べられないのに高価な印象がありますが、すっぽん球は300粒のカプセルが入って16,200円程度と比較的手が届きやすくすっぽん効果を得ることができる商品であると言えます。
ナガセスッポン養殖場では、すっぽん球を始めとしたすっぽんで栄養を補う商品が豊富に揃っているので、是非チェックしてみてください。
服部中村養殖場
服部中村養殖場はうなぎとすっぽんの養殖の元祖であると言われている、非常に歴史の長い養殖場の一つです。
すっぽんが食べられている歴史は長いですが、それでも一般の人にすっぽんが食べられるようになったのはつい最近のことです。
そんな中で服部中村養殖場のすっぽんの養殖が始まったきっかけとされている年が1866年ということは、服部中村養殖場が歴史ある養殖所であるということを意味しています。
服部中村養殖場は気候が温暖である浜名湖周辺ですっぽんの養殖を行っています。
すっぽんの養殖として使われている手法は露地養殖という手法で、養殖では1年半くらいで出荷されているすっぽんを約3~4年の時間をかけて育てています。
人工的な薬剤を使わない安全で肉質が柔らかく、クセのない味わいのすっぽんは人気が高く、すっぽん料理で有名な京都の高級料亭などでも多数調理されています。
服部中村養殖場はテレビや雑誌などメディアの取材も受けるほどの有名な養殖所で、品質も確かなものだと言えます。
服部中村養殖場の商品にはすっぽん鍋やすっぽんスープ、すっぽんサプリメントなど幅広い商品があり、これらの商品は通販で購入することができます。
値段も比較的手ごろなものもあるので、すっぽん初心者の人も挑戦しやすいのは大きなメリットかもしれません。
近くにすっぽん料亭がないというご家庭にはすっぽん鍋がおすすめですが、毎日すっぽんを摂って健康を維持したいという方にはすっぽんサプリメントもおすすめですよ。
まとめ
すっぽんは養殖されるようになったからこそ出荷される数も増えていて、その結果高級ではあるものの手軽に食べることもできるようになりましたよね。
それでもすっぽんを養殖することが難しいということは変わらず、自分でも養殖をしてみたいと思っても養殖すっぽんを育てるのに適した環境を作るのは大変であるかもしれません。
養殖をすることが難しいすっぽんだからこそ、その味は確かに美味しく栄養も満点です。
天然のすっぽんには天然のすっぽんならではの魅力がありますが、徹底して管理された環境で育ったすっぽんには安定した美味しさがあります。
料亭では天然のすっぽんと養殖のすっぽんの2パターンが扱われていますが、ゆっくり時間をかけて育つ天然のすっぽんが良くて養殖が良くないかというとそういう訳ではありません。
是非、すっぽん初心者は味に癖があまりない養殖のすっぽん料理から味わってみてください。