すっぽんの生き血をアルコールで割ったものやすっぽんを丸ごと焼酎に入れ、長時間漬けたお酒をすっぽん酒と言います。中国や日本では古くから滋養強壮や精力剤として飲まれてきました。そんなすっぽん酒には、お酒にすることで得られるよい効果が期待できるのです。
ここでは、そんなすっぽん酒の効果や美味しい作り方、すっぽん酒の入手方法や楽しみ方など、すっぽん酒の情報をまとめました。
目次
すっぽん酒ってどんなもの?
すっぽん酒には、2種類のタイプのすっぽん酒があります。
1つは、「すっぽんの生き血」とも呼ばれていて、すっぽんの血をワインや日本酒、焼酎に混ぜたお酒です。このすっぽん酒は、すっぽんのコースがある料亭などで楽しむことができます。
もう1つは、すっぽんの身体を丸ごと焼酎に漬けて熟成させるお酒です。沖縄のハブ酒やマムシ酒のような感じで、ビジュアル的にも「いかにも」という感じのお酒です。ここでは生き血のお酒と区別して「丸ごと漬け」と呼ばせてもらいます。
すっぽん酒は、中国や日本で古くから強壮剤や精力剤として利用されてきました。そんなすっぽん酒の作り方や楽しみ方を調べてみましょう!
すっぽん酒の効果
すっぽん酒の作り方の前に、まずはすっぽん酒が持つ魅力的な効果についてお話したいと思います。
すっぽんの生き血は完全栄養食
動物の身体中に栄養を届ける役割がある血液は、実はビタミン、ミネラル、たんぱく質のバランスがとてもよい”完全栄養食”であると言われています。生き血の場合は、熱を通さずに処理していますので栄養が損なわれることもありません。
栄養のバランスがよいということは、それだけ身体への吸収や働きが円滑に行われることになります。滋養強壮によいと言われているのはそのためです。
すっぽんが持つ豊富な栄養をまとめて飲める丸ごと漬け
焼酎にすっぽんを丸ごとつけるタイプのすっぽん酒は、すっぽんがもつ栄養を全て摂ることができます。
すっぽんと言えば、ビタミンやミネラル、豊富なアミノ酸が含まれているバランスが良い食材ですので、丸ごと漬けのすっぽん酒も滋養強壮に効果的です。
そして、すっぽんの栄養で忘れてはならないのがリノール酸です。リノール酸には血中のコレステロール値を下げ、血液をサラサラにする効果があります。血流がよくなることで疲労が溜まりにくくなり、精力の増強に繋がるというわけです。
丸ごと漬けでは、時間が経てば経つほど味と一緒に栄養が染み出てくるとも言われています。寝かせておく楽しみがあるのも魅力のお酒だと言えますね。
すっぽん+アルコールは、食べ合わせ◎
すっぽん酒について、
「すっぽんが健康に良くても、アルコールを飲むと肝臓に悪いんじゃないの?」
と思っている方もいるかと思います。
しかし、すっぽんには肝臓の働きを助ける効果があり、2日酔いや悪酔いの防止にも効果的なのだそう。それは、すっぽんに含まれている亜鉛や「スレオニン」や「トリプトファン」というアミノ酸のおかげ。これらの栄養素が肝臓でアルコールの分解を手助けしてくれますので代謝が上がり、結果として毒素の排出がはかどることになるのです。
もちろん飲みすぎはよくありませんので、ほどほどにしておきましょうね。
すっぽん酒の作り方
それでは、すっぽん酒がどのように作られているのか見ていくことにしましょう。
すっぽん酒の作り方―すっぽんの生き血編―
すっぽんの生き血をお酒に混ぜて作るのに欠かせないのは、すっぽんの血液です。その血液を採取するところから作り方を見ていきましょう。
①生きたままのすっぽんを用意する。
②すっぽんの頭を切り落として逆さに吊るし、血抜きをする。その時の血液がすっぽんの生き血になる。
③すっぽんの血液を度数が高いアルコールに漬けておく。
④コップにアルコール処理した血液を入れ、ワインや日本酒、焼酎で割る。
生の血ですから「生き血」というわけなのですが、中には抵抗があるという方もいるかと思います。しかし、血液の主成分はタンパク質ですから、熱を加えてしまうと固まってしまいます。アルコール処理がされていれば、細菌や微生物の繁殖もおきませんし、殺菌も可能です。また、血の凝固や変色を防いでくれます。
このすっぽんの生き血を捌いて手に入れるのは素人には難しいため、料亭で楽しむか、すでにお酒に混ぜてあるものを購入するといいですよ。どうしても自分の好みを出したい、というツウの方は、後でお話するように冷凍された血液を購入するという手もあります。
すっぽん酒の作り方―すっぽんの丸ごと漬け編―
すっぽんを丸ごと漬けたすっぽん酒は、ふかひれ酒のような味で、こちらの方がおいしいと感じる方もいるそう。
①姿蒸焼された乾燥のすっぽんや黒焼きのすっぽんを瓶に入れ、アルコール度数が強いお酒を入れる。
②好みで氷砂糖を入れる。
②1週間~2年程度漬けてから空ける。
乾燥のすっぽんはすっぽんが丸ごと入った瓶が「すっぽん酒キット」として売られています。黒焼きのすっぽんは、職人の手によって空気を遮断して高温で加熱して作られる貴重品。食材の持つ力がアップすると言われています。
このすっぽん酒に使うアルコールは強いお酒なら何でもよいそう。好みのお酒を入れてみましょう。また、氷砂糖を入れると味が柔らかくなるといいます。
漬けておく期間は、早くて1週間。しかし、すっぽん酒もほかのお酒と同様に、長い期間つけている方がまろやかな味になります。また、先ほどお話した通り風味も栄養も漬ける時間が長いほどお酒にうつることになりますので6か月~2年くらいじっくり漬けるのがおすすめですよ。
すっぽん酒の入手方法
すっぽん酒の入手方法は、どちらのタイプも既製品を購入するか材料を仕入れて自分で作るかの2通りがあります。
すっぽん酒はインターネットで購入することもできます。
既製品を購入すれば手間なくすっぽん酒が飲めますが、自分で手作りすると好みにアレンジできますし楽しいですよね。
すっぽんの生き血の場合は、アルコール処理して冷凍保存されたものを購入するといいですよ。下記サイトではすっぽん鍋のコースと一緒にすっぽんの生き血も楽しめます。割るものや分量をお好みに調整して楽しんでください。
鍋料理セット 4~5人前 (ボイル精肉200g×2、濃縮たれ200ml×2、エンペラー、活き血、粉末カプセル)
また、すっぽんの丸ごと漬けで欠かせないのが乾燥されたすっぽんや黒焼きのすっぽんです。あとはお好みのお酒で漬けましょう。
すっぽん蒸焼 (姿) 100g前後
「漢宮」すっぽん黒焼き
すっぽん酒をアレンジしてみましょう
すっぽん酒は、料亭ではコースの一はじめに出てくることが多いです。いつものお食事の食前酒として取り入れるのもよさそうですね。
そんなすっぽん酒は柑橘系と相性がよく、レモンやカボス、ゆずなどの果汁を加えるとよりおいしく飲めます。ほかにも、ジュースやソーダで割るという方もいます。
また、すっぽん酒はお料理に使うこともできます。
日本酒ベースのすっぽんの場合、一般的な料理酒の代わりになります。炒めた鶏肉や玉ねぎに、醤油・みりん・砂糖と一緒にすっぽん酒を加えて煮、生姜や薬味をたっぷり入れると身体も温まる美レシピの完成です。お豆腐や大根などの根野菜を入れるのもいいですね。
ワインベースのものも煮込み料理に使うと、お肉の臭みを消し柔らかくしてくれます。ぜひお試しください。