「仕事中に頭痛がしてつらい」
という女性は少なくありません。そんな女性に多い頭痛が血行不良によって起こってしまう『緊張型頭痛』です。
緊張型頭痛は、頭を締め付けられるような激しい痛みが周期的に訪れたり長時間続いたりということもある苦しい頭痛です。
しかし、原因がわかっていますので、実はある程度予防することも可能なのです。
今回は、そんな血行不良が原因の頭痛のメカニズムと、その予防方法についてお話します。
目次
血行不良で頭痛が起きる!?
頭痛には代表的なものが二種類あります。
こめかみ、目のあたりから脈を打っているようなズキズキと痛み、発作のように1か月に1,2度、多い方だと1週間に1度の周期で2~3日いたみが続くのが「片頭痛」です。
片頭痛は血行不良というよりは脳の血管が拡張することで起こると言われています。
音や臭いに敏感になり、吐き気が起こることもあります。
対して、ずっとパソコンに向かって仕事をしていたり長時間同じ姿勢で立ち仕事をしたりしていると、頭全体がギューっと締め付けられるような痛みや重くてズーンと沈みこむような頭痛に見舞われるという人も多いのではないでしょうか?
そんな頭痛は『緊張型頭痛』と言って、首や肩、頭などの筋肉が緊張してしまい血行不良が起こっていたり、頭部の血管が拡張してしまったりということで起きてしまいます。
この頭痛がひとたび起こると、短くて30分、長くて数日間続いてしまうということもあります。
今回は、そんな血行不良で起こる頭痛を予防する方法をまとめてみました!
血行不良で頭痛が起こるメカニズム
血行不良で起こる頭痛を予防するために、まずはどのようなメカニズムで頭痛が起こっているのかを見てみましょう。
デスクワークや長時間同じ姿勢をとり続けていると、筋肉は緊張して収縮してしまいます。これが、いわゆる『コリ』という状態です。
こっている状態は、血管を圧迫してしまい、血行不良を起こしてしまいます。
血液には身体を動かすための酸素やエネルギーを届けたり、老廃物を受け取って体外に排出したりといった働きがあります。
そのため、血行不良が起こってしまうと、体細胞には酸素やエネルギーを上手く届けることができず、乳酸のような疲労物質や老廃物も溜まりがちになります。
これが、『疲れ』てしまっている状態です。
そんな血行不良が、肩や首、頭のまわりで起きてしまうと、滞った血液が筋肉のまわりの神経にも悪影響を与えてしまいます。
その結果、頭を締め付けられるような激しい頭痛が起きてしまうのです。
こういった血行不良は、足や腰で起きていても全身に影響しますので、肩から上のコリだけでなく全身の筋肉のコリに注意していきたいですね。
この頭痛が、たまにであったり数日おきであったりという場合はまだよいのですが、毎日のように頻繁に訪れる場合には注意が必要です。
慢性的にストレスや疲労があると、脳の痛みをコントロールする機能が低下してしまい、血行不良でなくても頭痛が起きてしまうようになるのです。
そうなる前に、日常生活を変えていきましょう!
血行不良で起こる頭痛の予防方法
それでは、血行不良を予防するための具体的な方法について見ていきましょう。
理想的なデスクワーク時間は1時間以内
人間の身体は、ずっと同じ姿勢が持続できるように出来ていません。
1時間もずっと同じ姿勢で作業していると、筋肉が凝り固まって血行不良になってしまいます。
そのため、ふと気づいた時にストレッチやツボ押しなどで対処することで、頭痛がくる前に血行不良を予防することができます。
肩回し運動やイスから立ってぶらぶら歩くというように身体を動かしてあげるのも効果的ですよ。
緊張型頭痛は、眼精疲労の筋肉の緊張でも起こります。
目が乾燥したり疲れた感じがしたら目を閉じたりマッサージをしたりするとよいでしょう。
また、10~20分程度温めるというのも有効です。
ムリがない姿勢?
筋肉に負担を掛けない正しい姿勢も大事です。
デスクワークの場合、イスの高さが合っていなくつい背中が丸まってしまう人もいます。
そんな猫背は血行不良の大きな原因に。視力が悪いとよく見るためにパソコンとの距離も短くなり、猫背になりやすくなります。
また、足を組んだり頬杖をついたりといった、身体を不自然にねじ曲げるような格好も筋肉の緊張を招いてしまいます。
コリや血行不良や頭痛以外にもむくみや冷えの原因にもなりますので、絶対にやめるようにしましょう。
普段の生活でも、片足に体重をかけて立たないなど、不自然な姿勢にならないように気をつけましょう。
睡眠は適切?
血行不良には、睡眠不足も関わってきます。睡眠不足の時には、疲労を回復することができず、ストレスも溜まってしまいがちになるからです。
健康のためによいとされている睡眠時間は7時間と言われています。また、より深い睡眠がとれる方が、疲労やストレスを解消しやすいということもわかっています。
そんな睡眠の質を上げるためには、眠る前にTVやスマホなどを見ずに目を休め、リラックスした状態になることで副交感神経が優位な状態になり、より深い睡眠を得ることができます。
リラックスするには、ストレッチやアロマ、音楽を聴くなどが一般的ですが、それ以外にも自分の趣味を興奮しない程度に行うということも有効だと言われています。
料理や編み物、読書が趣味だという人は眠る前にしてみるとよいかもしれませんね。
睡眠の質にも、姿勢は関わってきます。寝ている時は意外と同じ姿勢になりがちです。
ずっと同じ姿勢をとっていると背中や肩、首が緊張した状態になり、頭痛の原因になってしまいます。
適切な高さの枕を使うことで寝返りがうちやすくなりますので、タオルなどで調整してみましょう。
こういった睡眠が原因で頭痛になってしまう人には仕事で忙しい人に多いですが、産後のママにも多いと言われています。
赤ちゃんがある程度大きくなるまでは頻回授乳などで睡眠時間も減りますし、赤ちゃんをずっと同じ姿勢で抱っこしなければなりません。
ムリをせず寝られる時には少しでも寝て、疲労を回復するようにしましょう。
お昼寝も睡眠不足の疲労回復には効果的です。
睡眠時間はあまり長すぎても良くありません。
休みの日に疲労回復しようと必要以上にたくさん寝て寝だめをするのは逆効果と言えます。
普段からとても短い方ならともかく普段から7時間寝ている方は睡眠時間を増やすことは避けましょう。
何より、規則正しい生活で体内時計を整えるという事が大切なので、夜更かしはせず、朝は太陽を浴びることをおススメします。
朝太陽を浴びることにより体内時計をリセットし、上質な睡眠に繋げましょう。
食事の栄養バランスはOK?
緊張型頭痛に悩まされている人が特に気をつけたいのは、食事です。
特に、血行不良が気になる時に気をつけて摂りたいのが、身体の調子を整える作用があるビタミンAやビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミン類や血液を作る鉄分やタンパク質です。
また、血液をサラサラにしての血流をよくする効果があるDHAやEPAも、血行不良に効果的です。
肉食中心だった人が魚食に変えただけで慢性的な疲れから解放されたという話もあります。
しかし、これらの栄養素を摂取するときには、バランスよく摂らなければ身体に吸収されなかったり十分な働きを得ることができなかったりします。
特に、ビタミン類や鉄分は特に日常的に足りなくなりがちな栄養素ですので、サプリメントから摂取するのもひとつの手段です。
冷え性や低体温も要改善!
冷え性や低体温な人には、実は緊張型頭痛に悩まされている人が多いです。これは、体温が低い状態では血行不良になりやすいからです。
冷え性や低体温の人は、普段から足下を冷やさないように暖かい恰好をし、水分は常温か温めて摂るようにしましょう。そして湯船に浸かりましょう。
シャワーだけですと体の芯からは温まりません。
湯船につかる際、お湯の温度は38~40℃位がおススメです。
あまり温度が高すぎるとかえって寝つきが悪くなってしまうので38~40℃のお湯にゆっくり10~15分は浸かりましょう。
その際、マッサージやストレッチをして血行促進し、体の芯まで温めてリラックスしましょう。
お風呂は寝る1時間前に入るのが上質な睡眠に最も効果的だと言われています。
また、冷えや低体温は、基礎代謝が下がっていることが原因かもしれません。
基礎代謝を上げるには、運動をするのが1番です。
効率的に基礎代謝を上げるためには、運動に加えて良質のアミノ酸を摂取することがよいと言われています。
良質なアミノ酸をもつ食材としてすっぽんが知られています。すっぽんは基礎代謝を上げるのに効果的ですので、冷えや低体温にも有効です。
サプリメントなら、ビタミン類や鉄分も一緒に日常的に摂ることができますので、食事の栄養バランスを改善することにも繋がります。
運動不足も血行不良の原因
冷えや低体温のところでも触れましたが、血行不良の原因には運動不足もあげられます。
運動をするということは、筋肉を動かすということ。そんな筋肉があるところには血管も通っています。
そのため、筋肉を動かすことで血管に刺激を与えることができ、血行を促進することができるのです。
運動をしていないと、血管がどんどん弱く細くなってしまうという話もあり、血行不良がますます悪化して頭痛が起こりやすくなるばかりか動脈硬化などの循環器系の病気になってしまうリスクが高まってしまいます。
理想としては毎日ジョギングやスイミングのような全身を動かす有酸素運動をすることですが、なかなか時間がないという人も多いでしょう。そんなときには、通勤時に一駅多く歩いたり階段を使ったりということでも変わってきます。
ストレスが溜まっていると頭痛の原因となることもあります。
ジョギングやスイミングで身体を動かすとストレスの解消にもなりますし、ぜひ日々の生活に運動習慣を取り入れましょう。
血行不良を防げば、頭痛もスッキリ
頭が締め付けられるような頭痛が長い時間続くというつらい症状が特徴の緊張型頭痛ですが、血行不良を改善することで予防することは可能です。
「また頭痛が…。」
となる前に、生活スタイルや仕事の仕方の改善をおすすめします。