敏感肌に最適なクレンジング方法

化粧水を塗るとピリピリしたり、乾燥で肌がかゆくなったりと、肌の敏感さにお悩みの方は少なくありません。特に、乾燥しがちな冬は敏感肌のケアに悩みますよね。

しかし、敏感肌だからと言って肌に何も塗らないと、肌は乾燥によってバリア機能が低下し、余計に肌が敏感になってしまう可能性があります。

敏感肌を改善するには、1日の終わりのクレンジングや洗顔で、汚れや皮脂、メイクをしっかり落として、肌に負担をかけないことが大切です。そこで今回は、敏感肌の方におすすめのクレンジングやスキンケア方法などをご紹介します。デリケートな肌を守るためにぜひ参考にしてくださいね。

敏感肌の定義

敏感肌は、皮膚科学的には明確な定義がありません。

メイクをしたり洗顔した後などに、肌がピリピリしたりつっぱるような感じがするけれど、目に見える症状が特にない状態を敏感肌と呼ぶことが多いです。

デリケートな敏感肌は、健康的な肌と比べてバリア機能が低下しており、皮脂分泌が少なく乾燥しやすい傾向があります。また、季節の変わり目や冷暖房などの環境、体調の変化、ストレス、生活習慣などの要因に敏感に反応し、トラブルが起こりやすい肌質です。

敏感肌の多くは、肌が乾燥している乾燥肌でもあるのです。最も気になるのは顔周りの肌ですが、腕や背中、足、頭皮なども敏感肌になります。特に、空気が乾燥している冬は、体のあちこちが乾燥してかゆくなったり、衣服がこすれて赤くなったりと、肌トラブルが起こりやすいのです。

4つの肌状態

肌の状態は、以下の4つに分けることができます。

  • 敏感肌:化粧品や紫外線、外気中のほこりなどで肌トラブルを起こしやすく、ほかの人には刺激にならない物質に対しても敏感に反応してしまう肌の状態です。
  • 疾患肌:光線過敏症やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患があり、皮膚科での治療が必要となる肌の状態です。
  • 不安定肌:疲労や睡眠不足、季節の変わり目、生理、精神的なストレスなどで、一時的にトラブルを起こしやすくいなっている肌の状態です。
  • 健常肌:健康的な肌です。キメが整っていて潤いがあり、ハリや弾力、つやがあります。

敏感肌の原因

肌はもともと、バリア機能と呼ばれる保湿機能を備わっており、これが肌の乾燥を防ぐなど、外部の様々な刺激から体を守っています。

しかし、間違ったスキンケアなどによって、肌のバリア機能が低下して肌の水分を保つことができなくなります。すると、肌が乾燥し、細菌やアレルギー物質、刺激物質などが侵入しやすくなるのです。

また、肌のバリア機能は間違ったスキンケアのほかに、以下の要因によって低下する可能性があります。

  • 外的要因:紫外線、化粧品、汗、ほこり、衣服、ダニ、金属、温度や湿度の変化など
  • 内的要因:栄養バランスの乱れた食事、睡眠不足、生理、妊娠、ストレス、更年期障害、皮膚の乾燥を引き起こす疾患、生活環境の変化に伴う心理的疲労など

肌を保湿するために重要なこと

肌を敏感にする大きな原因は、肌の乾燥です。肌の乾燥は敏感肌の始まりと言えるのです。

様々な内的要因や外的要因によって、角質層の中に水分を蓄えているセラミドやNMFが減少し、各層内の水分が不足することで肌が乾燥します。こういった状態になると、少しの刺激でも肌が過敏に反応してしまい、肌が余計に乾燥するという悪循環に陥ってしまうのです。

それでは、肌の乾燥を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。

大切なのは、肌を常に清潔に保ち、スキンケア商品によって肌の潤いを維持し、紫外線から肌を守ることです。肌を十分に保湿することで乾燥を予防し、敏感肌の改善につながります。

正しいスキンケア商品の選び方

敏感肌は肌のバリア機能が低下しているため、様々な刺激物質が肌の中に侵入しやすくなっています。低下したバリア機能を補うためには、肌の保湿が大切です。肌のバリア機能には、皮脂と天然保湿因子、細胞間脂質の3つの因子があるので、肌を保湿するスキンケア商品でこれらの因子を補うことができるものを選びましょう。

肌を保湿して健やかに整えるスキンケア商品は主に以下の4種類で、それぞれ異なる役割を持っています。

  1. 化粧水:角質層へ水分を補う
  2. 美容液:保湿成分を補う
  3. 乳液:角質層の水分や保湿成分を維持する
  4. クリーム:皮膚表面で油の膜を作り水分の蒸発を抑える

クレンジングの際におすすめするポイント

敏感肌の方は、肌への負担ができるだけ少なく、メイクや汚れをしっかり落としつつ肌の潤いを守ってくれるクレンジング剤がおすすめです。

1日に何度も顔を洗ったり、肌に合わないクレンジング剤を使用したりしていると、皮脂が必要以上に取り除かれてしまう場合があります。その結果、肌のバリア機能が低下し、敏感肌が悪化してしまいます。敏感肌は少しの刺激でも肌が過敏に反応してしまうので、クレンジングの際は、力を入れてこする・ふき取るようなことはやめましょう。

また、クレンジング剤に配合されている界面活性剤が肌に刺激を与えると言われますが、すべての界面活性剤が肌に刺激となるわけではありません。界面活性剤の種類や配合量のバランスを上手に工夫し、適度な洗浄力を持ちながら肌に負担をかけないという優れたクレンジング剤もあるのです。

シートタイプのクレンジング剤に注意!

ふき取るだけでメイクを落とせるシートタイプのクレンジング剤は、手軽に使えて便利なのですが、敏感肌の方の使用は要注意です。

シートの表面の毛羽立ちが肌に摩擦を起こし、肌に強い刺激を与えてしまう場合があります。拭き残しも起こりやすく、肌にメイクが残ってしまうと、毛穴のつまりや酸化の原因になるでしょう。敏感肌の方は、シートタイプのクレンジング剤の過度な使用は控えることがおすすめです。

敏感肌にはクリームタイプのクレンジング剤がおすすめ

クレンジング剤は、オイル、ジェル、ミルク、クリームなどたくさんの種類があります。

乾燥しがちな敏感肌には、クリームタイプのクレンジング剤がおすすめです。油分が多く配合されているクリームタイプは、適度な洗浄力を持ちますが、皮脂を必要以上に落とすことがありません。洗いあがりもしっとりしているので、肌の乾燥が気になる敏感肌の方に最適なクレンジング剤です。

敏感肌のクレンジング方法

敏感肌のクレンジングの手順は以下の通りです。肌を強くこすらないように注意し、メイクとクレンジング剤を優しくなじませることが大切です。

  1. 乾いた清潔な手にクレンジング剤を適量とり、顔全体に優しくのばします。手が濡れているとメイクとの馴染みが悪くなり、クレンジング力が落ちてしまいます。
  2. 頬や額の広い部分は手のひら全体でゆっくりと円を描くようにメイクをなじませます。目元や小鼻などの小さな部分は指の腹を使い、優しくメイクとなじませましょう。1分程度がなじませる目安時間になります。
  3. クリームタイプのクレンジング剤は、メイクとなじむまで重たい印象がありますが、クリームの白さがなくなって肌色に変わり、なじませる手の動きが軽くなったらメイクとなじんでいる合図です。
  4. ぬるま湯でメイクや汚れを洗い流します。
  5. クレンジング後は、洗顔料を使って残ったクレンジング剤や皮脂をしっかり落とします。

クレンジングの負担に負けないスキンケア方法

敏感肌を改善するには、肌を清潔に保ち、バリア機能を正常に保てるようなスキンケアを行うことが大切です。保湿力が高い成分の入ったスキンケア商品を選び、正しいスキンケアを心がけましょう。

敏感肌のスキンケアのポイントは以下の3つです。

  1. 肌に合うかチェックする
  2. 化粧品を正しく使う
  3. 皮脂を取り過ぎないものを選ぶ

肌に合うかチェックする

同じ敏感肌でも肌の状態は人それぞれです。スキンケア商品を本格的に使い始める前に、トライアルキットやサンプルを使って、自分の肌に合っているかをしっかり確認しましょう。

化粧品を正しく使う

どんなに良い化粧品でも、自己流の使い方ではせっかくの効果も半減してしまう場合があります。スキンケア商品は、記載されている使用量や使用する手順などをしっかり守り、正しい使い方を守ることが重要です。

皮脂を取り過ぎないものを選ぶ

敏感肌は乾燥している状態になっていることが多いので、皮脂が多いオイリー肌用のスキンケア商品の使用は避けましょう。スキンケア商品を選ぶ際は、肌への刺激が少ない成分が配合されているものを選び、なおかつ保湿効果の高い成分が配合されたものを選びましょう。

敏感肌のケアにおすすめの成分

乾燥しやすい敏感肌の方におすすめしたい成分は、水分をため込む働きのあるセラミドです。セラミドはもともと肌の内部で水分をため込んでいるのですが、加齢とともに減少してしまうので、外側から補うことが大切です。

化粧品に配合されているセラミドの種類と特徴をご紹介します。

  • 動物性セラミド:馬や牛の脳、脊髄から抽出したセラミド成分です。ビオセラミドやウマスフィンゴ脂質、セレブロシドなどがありますが、ほかのセラミドに比べてやや高価になります。
  • 植物性セラミド:植物性の油から抽出した成分です。
  • ヒト型セラミド:人間の皮膚にもともと含まれているセラミドに似せた化学構造で作られた成分です。セラミド1やセラミド2など、番号がふられています。
  • 合成セラミド:石油原料から合成された成分で、ほかのセラミドより比較的安価です。

また、グリセリンもセラミドと同じように水分を蓄える働きがあります。グリセリンは肌に潤いを与えるヒアルロン酸と相性が良いので、併せて使うと高い保湿効果が得られるでしょう。

敏感肌の保湿ケアは、セラミドとグリセリンが配合されたスキンケア商品を選ぶことがおすすめです。

敏感肌の解消のために冬にかけてしたいこと

冬は空気が乾燥しやすく、暖房器具の使用でさらに乾燥した室内にいることが多いので、いつも以上に肌の保湿を心がけましょう。

また、年末で忙しくなると生活習慣が乱れやすくなりますが、乱れた生活習慣は肌の大敵です。バランスの悪い食事や睡眠不足、過度なストレス、喫煙、お酒の飲みすぎなどは、デリケートな肌に負担を与え、乾燥やトラブルを引き起こしてしまいます。

健康的な美肌を維持するためには、正しいスキンケアを行うことはもちろん、今の生活習慣を見直し、正しい生活習慣を送ることが大切です。冬は忘年会や新年会も多くなりますが、アルコールの摂り過ぎに気を付け、3食バランスよく食べて、睡眠時間を十分に確保しましょう。

ぜひ、正しいスキンケアと生活習慣で、乾燥に負けない健やかな肌を目指してくださいね!

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