肌のかさつきや、潤いが感じられないような乾燥肌は、しっかりケアしないと、シワやたるみが出来やすくなり、一気に肌老化を招いてしまいます。肌が乾燥すると、メイクのノリも悪くなるので早めに対処することが大切です。
そこで今回は、乾燥肌を改善する正しいスキンケア法をご紹介します。肌の乾燥を抑えて、健康的な美肌を手に入れたい方はぜひ参考にしてくださいね。
乾燥肌はどんな状態？
乾燥肌は、肌の水分と皮脂がともに不足して、潤いがなくなっている状態です。ドライスキンと呼ばれることもあります。
体の中で特に乾燥しやすいのは、皮脂分泌がもともと少ない膝や肘、すね、足の裏などのパーツです。顔は、目もとや口周り、頬などが乾燥しやすいでしょう。
また、乾燥肌はお風呂上りや洗顔直後に、肌がつっぱる、全身がかさつくなどの症状が現れます。
肌が乾燥を防ぐ仕組み
人間の肌は表皮でおおわれているのですが、乾燥と深い関係にあるのが表皮の一番外側にある角質層の部分です。
角質層はバリア機能という役割を持っていて、このバリア機能が正常に働いていると、肌の水分を保って蒸発を防ぎ、アレルゲンなどの侵入や外的刺激から肌を守ります。
この角質層は、角質細胞と細胞の隙間を埋めている細胞間脂質から構成されています。角質細胞はアミノ酸などの天然保湿因子で満たされており、細胞間脂質はセラミドや脂肪酸、コレステロールなどで満たされているのです。
肌の潤いを守るバリア機能
肌のバリア機能が正常に働いていると、角質層がアレルゲンや外的刺激から肌を守り、肌の内部にある水分や脂質が逃げるのを予防し、肌の潤いをしっかり保つことが出来ます。
しかし、何らかの原因によって角質細胞に含まれているアミノ酸などの天然保湿因子や細胞間脂質が減少し、細胞をつなぎとめる力が低下すると、バリア機能の働きが弱くなり、肌内部の水分が逃げてしまうのです。
つまり、乾燥肌を防ぐには肌のバリア機能を正常に保つことが大切なのです。
健康的な肌と乾燥した肌の状態
- 健康的な肌：健康的な肌はバリア機能が正常に働いているので、セラミドなどの細胞間脂質がしっかり守られ、水分も保持できています。
- 乾燥した肌：乾燥肌はバリア機能が低下しているので、細胞間脂質が減少して潤いがなくなり、さらに細胞をつなぎとめる力が弱くなるため、水分が逃げやすくなります。
肌のバリア機能が低下する原因
では、乾燥肌を引き起こす肌のバリア機能の低下は、どんな原因があるのでしょうか。主な原因を見ていきましょう。
肌のターンオーバーの乱れ
健康的な肌は、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーにより、常に新しい細胞に入れ替わります。そうして肌のバリア機能が保たれているのです。
しかし、生活習慣の乱れやストレスなどで肌のターンオーバーが乱れることで、バリア機能が低下して、天然保湿因子や細胞間脂質が生成されにくくなり、水分が外に逃げやすくなるのです。その結果、肌の潤いがなくなって乾燥肌が引き起こされます。
紫外線によるダメージ
紫外線はシミやしわ、日焼け、たるみなど様々な肌トラブル・肌老化を引き起こすことで知られていますが、実は紫外線は、肌のバリア機能も低下させてしまうのです。
肌の一番外側にある角質層は紫外線のダメージを最も受けやすく、皮膚のバリア機能を壊していきます。
加齢による皮脂分泌量の減少
加齢とともに、肌の水分、セラミドなどの細胞間脂質、天然保湿因子が徐々に減少してしまう傾向があります。
これらの成分が減少することで、バリア機能が低下しやすくなるのです。
ビタミンB群の不足
栄養バランスが偏ったり、ビタミン類が不足したりすると、身体だけではなく、肌にまで悪い影響が出てきます。特に、ビタミンB群は肌のターンオーバーを正常化させる働きがあるので、不足すると肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能の低下につながるのです。
間違ったスキンケア
1日に何度も洗顔をする、肌を強くこするようなクレンジング、洗浄力の強すぎる洗顔料での洗顔など間違ったスキンケアは、肌のバリア機能の低下を招きます。
また、42℃以上の熱いお湯での入浴は肌から必要な皮脂まで奪ってしまい、バリア機能を低下させてしまいます。
エアコンの長時間の利用による空気の乾燥
冷房でも暖房でも、エアコンは空気中の水分も一緒に吸収してしまうので、長時間利用することで空気を乾燥させていきます。空気の乾燥は肌のバリア機能の低下を招くので注意が必要です。
乾燥肌を改善する正しいスキンケア法
肌の乾燥はかさつきだけではなく、肌荒れやニキビ、シミやしわなどの肌老化まで招いてしまいます。肌の乾燥が気になる場合は、すぐに対策をとることが大切です。
特に、毎日使用するスキンケアアイテムは水分保持力があり、肌をしっかりと保湿するものを選ぶことがポイントです。正しいスキンケア法を知って、乾燥肌の改善を目指しましょう。
スキンケアの基本はハンドプレス
乾燥肌の場合はスキンケア時にハンドプレスで行うことを心がけましょう。さらに、手をお湯や蒸しタオルなどで温めてから化粧水をハンドプレスでつけると、肌が温まって、肌の奥にまで美容成分や保湿成分が浸透しやすくなります。
乾燥がひどいときや乾燥が気になる季節は、化粧水を重ね付けし、ハンドプレスすると効果的です。
化粧水をコットンでつけたり肌を叩くようにパッティングしたりする方もいますが、肌が乾燥しているときは避けたほうが良いでしょう。パッティングすると肌に刺激が加わります。コットンの場合は、肌を摩擦し、傷つけてしまうのです。
ハンドプレスだと肌への刺激も少なく、手の平の温度で顔の血行を促し、保湿成分や美容成分の浸透率を高めます。
洗いすぎやこすりすぎに注意
洗顔やクレンジングの際に、洗浄力の強い洗顔料やクレンジング剤でメイク・汚れを落とそうとする方も少なくありません。しっかり皮脂や汚れを落とすために、一日に何度も洗顔する方もいるでしょう。
しかし、クレンジングや洗顔のし過ぎは、肌の汚れだけではなく、肌のバリア機能の役目を果たす天然保湿因子や皮脂膜まで洗い流してしまうのです。
肌は睡眠中にバリア機能が回復されますが、朝の洗顔で回復したバリア機能が夜のクレンジングや洗顔でまた失ってしまうのです。
肌の乾燥が気になる方は、朝は洗顔をしないでぬるま湯で軽くすすぐだけで十分です。Tゾーンなど部分的に皮脂が気になるという場合は、皮脂が多い部分だけを石けんで優しく洗いましょう。
メイクや汚れが肌に残ったままだと肌に負担をかけてしまいますが、洗顔やクレンジングで肌を摩擦したり、刺激したりすることは肌に大きなダメージを与えてしまいます。
洗顔とクレンジングは肌をできるだけこすらずに行い、なるべく短時間で行うことが大切です。アイメイクや口紅などの落としにくいポイントメイクは、必ずポイントメイク落としを使いましょう。
顔の冷えを予防する
体が冷えると様々な不調を招きますが、実は顔の冷えも肌の乾燥を招くので注意が必要です。
夏の冷えたエアコンや冬の冷たい空気にさらされる顔は、一気に冷えてしまい、血行不良を招き、代謝の悪化を引き起こします。また、肌の表面温度が極端に低下すると、肌の水分や潤いを閉じ込める機能が正常に働かなくなって、その結果、バリア機能が低下して乾燥肌を引き起こすのです。
顔の冷えを予防するには、洗顔やクレンジング時に手を温めておくことが大切です。手の温度によって顔が温まり、血行を促し、保湿成分や美容成分を浸透しやすくさせます。
十分な睡眠をとる
睡眠不足は新陳代謝の悪化を招き、皮膚細胞の代謝まで悪くしてしまいます。そのため、乾燥肌を改善して美肌を手に入れるには質の良い睡眠をとることが大切なのです。
特に、深い眠りの時に成長ホルモンが多く分泌され、細胞の再生や修復を促します。
眠りの浅いレム睡眠と眠りの深いノンレム睡眠は約90分周期で繰り返されているので、最低でも一日6時間程度は睡眠をとることが重要なのです。
体内から乾燥を改善する食生活
念入りにスキンケアをしているのに、なかなか肌の乾燥が改善されないという方は、食生活の乱れが原因かもしれません。
油っこい食事や冷たい飲み物の摂りすぎで体の代謝が悪くなり、冷えが原因で肌の調子が悪くなると、健康的な皮膚を作ることができなくなるのです。
肌や髪の毛、爪など身体のほとんどがタンパク質からできています。大豆製品や卵、こんにゃく、ひじき、わかめなどのタンパク質を豊富に含む食べ物をしっかり摂ることで、新陳代謝が正常に働き、肌の再生を促します。
ほかにも、乾燥肌を改善する栄養素は以下の通りです。
- 免疫力を高めるビタミンC：ブロッコリー、かんきつ類、キウイフルーツ、イチゴ
- 新陳代謝を促すビタミンA：人参、うなぎ、レバー
- 皮膚や粘膜を保護するビタミン類：卵、バター、アボカド、納豆
室内環境を整える
現代は、エアコンや床暖房、扇風機など室温調節に欠かせない冷暖房器具が重宝されています。
しかし、快適に過ごせている室内環境が肌に大きなダメージを与えてしまう場合があります。
夏は冷たい冷房の風が肌の水分を奪うので、乾燥肌を引き起こしてしまいます。冬の暖房は室内湿度を低下させるので、肌が乾燥しやすくなるのです。そのため、エアコンなどの冷暖房器具を使う際は、こまめに保湿クリームを塗って肌の乾燥を防ぐことが大切です。
メイクをしているときは、ミストタイプの化粧水などで肌を潤すことがおすすめです。
まとめ
肌の乾燥は肌トラブルや肌老化を引き起こすので、しっかりスキンケアを行って保湿することが大切です。
また、外側からのケアだけではなく、食生活や生活習慣に気を付けて、体の内側からケアすることもおすすめです。特に、質の良い睡眠は肌の乾燥を防ぎ、健康的な美肌を作ります。
ぜひ、ご紹介したケア方法を実践して、乾燥に負けない美肌を手に入れてくださいね。
