古来より存在していたムクナ豆は、衰えていく脳神経の伝達に効果があるといわれています。
研究段階ではありますが、アルツハイマーや認知症、パーキンソン病などの症状によい成分が含まれていることがわかっています。
認知症は脳の働きの低下が原因。ムクナ豆は脳の働きに効果があるので、専門家の間でも注目されている食材なのです。
目次
増え続ける認知症
近年、認知症と診断される方が増え続けています。
家族や身近な人たちが認知症と診断された、というご経験をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。
自分自身ですら、将来認知症にならないという保証はないわけですから、みなそれぞれが気をつけていかねばなりません。
認知症の原因
認知症は脳の働きが低下することが原因であり、そのことによって、さまざまな症状があらわれます。
その症状は環境や体験から起こる症状と、気質によって起こる症状があります。
「環境や体験」とは、環境の変化や治療への怖さが引き起こす症状です。
周り以上に、認知症となった本人は自分の変化に不安を抱いていますので、その不安感から引き起こされることが多いようです。
突然場所を変えたり、模様替えをしたりすると、症状がひどくなることがありますので、そんなときは環境を元に戻したり、周りの人が接し方を考えて対応していくことで不安が和らぎ、ひどくなった症状も和らぐこともあります。
そもそも認知症というのは病名ではありません!認知症の原因となる病気はさまざまですが、よく知られているのがアルツハイマー病です。
認知症の症状
周りの人たちが明らかに気づく、わかりやすい症状として「通常と違うひどい物忘れ」があります。
これは記憶障害とも呼ばれ、ちょっと前のことを思い出せない…といった症状です。
年を取れば誰にでもあり得る症状ではありますが、たとえば食事をした後、メニューを思い出せないというのは老化でもよくあることなのですが、認知症による記憶障害となると、食事をしたこと自体覚えていない…というレベルになってしまいます。
なにかを選ぶときに「正しい選択をする」という行為も難しくなってくるので、時間や場所がわからない、段取りがうまく取れない、というのも認知症の症状です。
手際よく家事をしていた女性が認知症になったことで、家事の段取りが極端に悪くなった、ということもよく聞かれる話です。
他にも、突然怒り出すということも症状のひとつであり、いつになく攻撃的になったりすることもあります。
過食や拒食、夜の徘徊、夜間大声をあげる、じっとしていられない、など人によってもさまざまですが、認知症になるとこのような症状が見られるようになります。
それらはすべて、脳が正常に機能していないことから起こることなのです。
大脳の側頭葉「海馬」が萎縮していく認知症。最初は物忘れから始まり、次第にしゃべりたいことが思うように話せないようになります。
そして進行していくと、運動機能も低下していく場合があり、そして最終的には寝たきりになってしまうのです。
認知症の進行は止めることができません。
しかし、治療によってその速度を緩やかにしていくことは可能なのです。
認知症に効果があるといわれるムクナ豆!
進行を止めてしまうことは、今の段階では難しいといわれる認知症。薬による治療などで、進行を緩やかにしていくことは可能なようです。
そしてムクナ豆は自然食品にもかかわらず、認知症の薬として、効果があるのではないか…、と今注目が集まっています。
ムクナ豆とは
インド古来の伝統医学「アーユルヴェーダ」の時代からムクナ豆は「ぼけ封じのハーブ」「若返りのハーブ」と呼ばれていました。
西洋医学が脳の病気を認識するずっと以前から、アーユルヴェーダの世界ではすでに、ムクナ豆が脳の働きに効果があると認識されていたのでした。
脳の低下が原因である認知症のような症状に対して、何千年も昔の人々がその治療にムクナ豆を利用していたのです。
それほど昔から存在する伝統的な健康食、それが「ムクナ豆」なのです。
ムクナ豆の成分
ムクナ豆には、鉄分・タンパク質・炭水化物・脂質・ミネラルなどが含まれています。特に、鉄分においては他の食品と比べものにならないくらい多く含まれています。
そして認知症の専門家の間でも大きく注目されている成分が「L-ドーパ」。
このL―ドーパこそが、脳の働きをよくするのに必要な成分なのです。
ムクナ豆に含まれる「L-ドーパ」とは?
神経伝達に必要な物質はドーパミンです。
L―ドーパとはそのドーパミンのもととなる物質なのです。L-ドーパが減ってしまうと、ドーパミンが作られなくなるので、神経伝達がうまくいかなくなります。
今現在の脳研究において、加齢とともにドーパミンが減少することはわかっています。
老化とともにドーパミンは減っていくことは当然のことなのです。
しかし加齢とは関係なく、ドーパミンを作るL-ドーパが極端に減っていくことで起こる症状、それが認知症です。
ドーパミンが減少すると、疲労、怠慢、睡眠障害、絶望感、記憶喪失、集中力の欠如…などの症状があらわれます。
ドーパミンが極端に減少することで、認知症としての症状につながる、ということがこのことからもわかります。
ムクナ豆に含まれるL-ドーパは、ドーパミンをつくる物質です。
ドーパミンは運動ややる気、集中力といったことに関与する成分となるので、外側から摂取すれば、減っていくドーパミンを補うことができるといえるでしょう。
認知症として診断された後、病院から処方される薬剤には副作用の恐れがついてまわります。しかし、ムクナ豆はなんといっても自然食品です。
副作用のリスクは少なく、医師と相談することは絶対条件ですが、薬を減らすことも考えていけるのではないでしょうか?
認知症対策としてムクナ豆を食べるには?
L-ドーパの効果によって、認知症の症状を抑えることができるといわれるムクナ豆。どのようにして食べると良いでしょうか?
ムクナ豆の原産地
古くからアーユルヴェーダで利用されていたことからもわかるように、原産地はインドです。
日本国内でも生産されているところはいくつかあるようです。
ただムクナ豆は高温性であり、低温に弱い傾向があります。日本で栽培できるのは関東までが限界ではないか、といわれています。
中東やインド、ブラジルやアフリカで、多く栽培されています。そのことからもわかるように、販売されているムクナ豆は海外からの輸入品がほとんどでしょう。
国内産として販売している業者もありますので、ご自分の目で見て確認し、購入されてください。
健康食品やサプリメント
手軽に取るには、通販などで販売されているムクナ豆を購入するという方法があります。
煮豆の状態で販売されているものから、粉末状のものまでさまざまです。
ご自分の生活に合わせて、お好みのものを選ぶとよいでしょう。
インターネットで調べると、いくつものショップを見つけることができます。
それだけムクナ豆の効果が広まってきている証拠でもありますね。
豆を購入して自分で調理する
調理前の豆も販売されています。国産のものも探せばあるようです。
調理前の状態で購入した場合は、長時間水に浸してから、圧力鍋を利用してやわらかく茹でましょう。とても固い豆なので、やわらかく煮るにはかなりの時間が必要になります。
そして、食べる量は一度に多くを食べないように注意しましょう。アクの強い食品です。体調を崩すこともありますので、量は控えめに。
とくに認知症の薬を処方されている場合は、医師と必ず相談しましょう。
認知症の薬にはL-ドーパが含まれており、多く取り過ぎると、効果が出すぎて薬の副作用と同じような症状が起こります。低血圧、幻覚などの症状を引き起こす場合があるのです。
医師と相談しながら、まずは一日3粒程度を目安に様子を見ながら食べるようにしましょう。
食べる時の注意点!
□必ず加熱し、生で食べないように!体調崩します。
□血圧が高めの方、心臓疾患のある方は量を控え、かかりつけの医師に必ずご相談をされてから食べることをお勧めいたします。
□ムクナ豆はいくつかの種類があり、人の食用に適さない物もあります。必ず食用であることを確認して食べるようにしましょう。
□現在何らかの薬を飲まれている場合は、かかりつけの医師とかならずご相談ください。
まとめ
研究段階とはいえ、すでに認知症予防と進行を遅らせる意味で効果があるといわれているムクナ豆。自然な食品であるにもかかわらず、かなりの効果が期待されています。
認知症といわれる人の数は年々増え続けています。
もしかするとムクナ豆は、私たちの健康な未来を守る食品となるのかもしれません。
これからもますます注目していきたいですね。