ゴツコラというハーブをご存知ですか?
日本ではツボクサとして知られている雑草です。
この雑草、ただものではありません。
WHO(世界保健機構)がゴツコラを重要な薬草リストに加えたことから、世界中の注目をあびています。
インドでは、すべてのハーブの中で最も精神的な効能のあるハーブとして瞑想を改善するためにヨギの間で長く使われてきました。
それではゴツコラについて見ていきましょう。
目次
ゴツコラとは?
ゴツコラは、パセリと同じセリ科の仲間です。
ゴツコラの葉の形をよく見ると、人間の脳を上から見たような形になっています。
漢方では、似類補類(にるいほるい)という考え方があります。
これは、植物の一部の模様や形と身体の中の臓器が似ていれば、その植物を使うと病んだ臓器を補ってくれるという考え方です。
という事で、似類補類(にるいほるい)の考え方では、ゴツコラの葉は、脳の形に似ているので、記憶力や認知機能によいとされます。
伝統的に中国、インド洋周辺の国では、心を落ち着かせる自然療法として使用されていました。
インドでは、創造の神ブラフマンの「知恵を助け、崇高な実態についての認識をもたらすもの」という神の名から、ゴツコラをブラフミーと呼んでいます。
インドの伝統医学アーユルベーダでは、主に神経と脳細胞を活性化するハーブとして用いられています。
実際に、ゴツコラの葉と根には、健康な神経伝達物質機能を維持するのに役立つ重要な成分が含まれています。
ゴツコラは、多くの認知関連の問題を治療する他にも、喘息、肝炎、下痢、および発熱のような健康問題の広い範囲を治療するために伝統的に使われてきました。
また、アジア、インドそして他の先住民族の文化の中で、肌、髪、そして爪の健康をサポートすることにも長い間使われています。
ゴツコラは、その様々な効果から各国で「長寿のハーブ」とも呼ばれています。
中国では霊性の高い植物として「奇跡の不老不死薬」のひとつにもなっているそうです。
ゴツコラと脳の健康
ゴツコラの最も特徴的な効能、脳の健康からみていきましょう。
ゴツコラは、脳の左右の半球の間の調和を生み出すと信じられ、その鎮静効果は瞑想を助けるハーブとしてヨガをする人達の間で人気があります。
最近、ゴツコラの精神的健康への影響をテストするために数多くの科学的研究が行われ、強力な認知増強剤として作用することが確認されています。
ゴツコラの9つの効能
ゴツコラの効能をいくつかピックアップします。
1.脳の細胞を守り増やす
毎日、私たちの脳細胞は、片頭痛、気分のむらなどを引き起こす可能性がある、鉛、水素、ナトリウムなどの多数の神経毒に攻撃されています。
ゴツコラには、抗酸化作用があり、フリーラジカルのダメージを中和し、私たちの脳細胞を傷つけないようにしています。
さらに、脳を守るだけでなく、脳細胞間のコミュニケーションを改善し、そして樹状突起の分枝を強化することで新しい脳細胞を作ります。
2.不安を軽減し気分をアップ
ストレスやテンポの速い現代の生活によって引き起こされる不安は、現代社会に影響を与える最も一般的な病気になりました。
ゴツコラは、慢性的な、そして急性のストレスの両方を減らすことができます。不安の50%を軽減することがわかっています。
3.睡眠の質を改善する
睡眠不足は、精神的疲労や短期間の記憶喪失を引き起し、集中力や注意力を低下させます。
質の高い睡眠は、脳の健康にとても重要です。
通常、不安、ストレス、および鬱病が原因による不眠症は、睡眠薬や向精神薬などで治療されます。
残念ながら、これらの薬には、記憶力や全体的な健康状態にも影響を及ぼす副作用の可能性があります。
一方でゴツコラは、何世紀にもわたって睡眠を改善するために使用されてきた安全な治療法です。
たとえば、アーユルヴェーダ医学では、ゴツコラ茶をハチミツと混ぜ合わせて、私たちの心を落ち着かせ、睡眠の質を改善するために使われています。
4.強力な抗うつ薬としての役割を果たす
ゴツコラが、ほかに助けることができる精神障害がうつ病です。
2ヵ月間服用していた患者では、ストレス、不安、および鬱のレベルが低下していました。
ゴツコラは慢性うつ病の最も一般的な症状のいくつかを改善します。
5.ビタミンEの有効性を高める
ビタミンEは、私たちの心臓の健康にとって最も重要なビタミンの一つです。脂でできた私たちの脳の機能にとても重要です。
ビタミンCと組み合わせて、ビタミンEは加齢による認知機能低下を予防することが証明されています。
また私達の認知機能を高め、記憶の喪失を最小にし、そしてもっと重要なのは、アルツハイマー病や認知症のような病気の危険性を著しく減らすことです。
ゴツコラとビタミンEを組み合わせると、さらに強力な抗酸化作用で脳を守ってくれます。
6.アルツハイマー病の予防と治療
最近の研究によるとゴツコラは、アルツハイマー病に罹患している高齢者の認知能力を改善するだけでなく、健康な高齢者のアルツハイマー病の予防になることがわかっています。
このアルツハイマー病の患者は、一般に、記憶や学習に影響を与える神経伝達物質であるアセチルコリンのレベルがかなり低くなっています。
このアセチルコリンの分解を防ぐために、多くの強力な薬が処方されています。
ゴツコラには、アセチルコリンの分解を防ぐことができるトリテルペン、化学物質が含まれています。
7.関節の痛みを軽減する
ゴツコラには、素晴らしい抗炎症作用があり、関節リウマチの治療に使用されています。
ゴツコラの摂取が関節の炎症、ならびに軟骨と骨の侵食を減少させることがわかっています。
8.肌を健康に保つ
これまでの研究で、ゴツコラは、肌にも様々な効果をもたらすことがわかっています。
ゴツコラの主な有効成分のトリテルペンは、私たちの肌、筋肉、骨、軟骨、靭帯で最も重要な構造タンパク質であるコラーゲンの強さと量に関係しています。
ゴツコラは、切り傷など、さまざまな種類の創傷の治癒効果が高めることがわかっています。
湿疹、乾癬などの皮膚疾患の治療に役立つことも報告されています。
また、妊娠線の予防や出来てしまった妊娠線の改善にも効果があります。
多くの臨床試験で、ゴツコラが頭皮や皮膚を含む身体の外面をおおっている結合組織を支えることによって肌の健康を助けることがわかっています。
9.循環器系を改善する
ゴツコラは、健康な結合組織を支えるので、身体の外側の皮膚だけでなく、内側にある血管の強くし、正常な血液の循環を支えます。
足首のむくみ、静脈瘤、脚の血栓の予防、糖尿病患者の毛細血管の損傷の軽減など、さまざまな循環器系の問題を改善することができます。
ゴツコラの摂取方法
野菜として食べる
ゴツコラは、食品としてタイなどで野菜として食べられています。
頭が良くなる「食べるIQ」として人気が出てきています。
ゴツコラは、パセリやセリのようなちょっとクセのある味と香りがします。
日本でも道端に自生しているので手に入れられますが、市場や食料品店で見つけるのが難しいという問題があります。
他のハーブのように、自分で育てることもできます。
ハーブティー
野菜として食べる以外に、ゴツコラはお茶として購入することもできます。
ゴツコラ茶は、甘みに加えて苦味もあるので、他の人気のあるハーブとブレンドしたものもおすすめです。
記憶力アップのためにイチョウ葉とブレンドしたものや、不安を軽減しリラックスするためにカモミールやラベンダーを混ぜたものなどがあります。
サプリ
手軽なのはサプリメントで、最も強力です。
食品として消費するときは、一般的に安全性が高いことが証明されていますが、サプリメントとして常用するときは、注意点があります。
自然由来のものだからと言って副作用がないわけではありません。
めまいや胃の不調などの副作用を避けるために、少ない量から始めて、徐々に摂取量を増やしてください。
1回に6週間以上使用しないことも大切です。
次に摂取するときは、前回の摂取から2週間以上あける必要があります。
糖尿病を患っている場合、鎮静剤を使用している場合、またコレステロールが高い場合は、ゴツコラを服用する前に医師に相談するようにしてください。
肝障害、皮膚がん、または手術を受ける場合は、ゴツコラを使用しないでください。
妊娠中の女性や18歳未満の人も、ゴツコラのサプリメントを避けるようにしてください。
まとめ
このようにスーパーハーブとして注目されているゴツコラ。
もう一度働きを確認してみましょう。
上記であげた効能を含めて以下のような働きが認められています。
●鎮静効果があり、中枢神経系を安定させる
●疲労を軽減し、うつ症状や不眠症を緩和する
●脳機能を高め、集中力や記憶力を増進させる
●血行を良くし、体中の血液の流れを高め、血管や毛細血管を強くする
●免疫機能を補強する抗生物質の特性を有し、 特に肌の各種トラブルの対策に効果がある
●風邪や呼吸器官の異常(鬱血、熱、のどの不快感等)に 関連する症状を緩和する
●心臓の働きを助け、肝臓や腎臓の機能を増進させる
●血管体系を強化し、結合組織を強め、血管の炎症を治す ハンセン病の皮膚障害を修復する効果がある
●化学物質や薬剤に汚染されたからだを無毒化し、 脳細胞や神経を活性化する作用がある
●コラーゲンの生成を促す
野菜として摂取するのは安全ですが、サプリメントとして摂取する場合、特に持病があったり他に薬を摂取している場合は、事前に専門家に相談を求めると良いでしょう。