過剰摂取は要注意!アラキドン酸の効能と注意点について

みなさんはアラキドン酸という成分を知っていますか?

アラキドン酸は人間の体にとって必要な脂肪酸であり、今大注目されている成分でもあるのです。ここでは、そんなアラキドン酸について詳しくご紹介していきます。

アラキドン酸とは

アラキドン酸とは、油のひとつである不飽和脂肪酸のうち、オメガ6と呼ばれるものに分類されるリノール酸が、体の中で変換した脂肪酸のことなのです。

オメガ6と呼ばれる脂肪酸は、人の細胞などを構成するためには欠かせないものであり、体にとって必要不可欠な存在です。しかし、その必要量はそれほど多くはありません。

アラキドン酸のもととなるリノール酸は、コーン油やベニバナ油などに多く含まれています。また、肉や魚、卵などにもたくさん含まれているので、アラキドン酸が不足することはほとんどありません。

アラキドン酸の効果

それでは、アラキドン酸にはどのような効果があるのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

コレステロール値を下げる効果

アラキドン酸は、プロスタグランジンという生体調節ホルモンの材料になるので、血圧を調整する効果があります。動物性脂肪などを摂りすぎると、コレステロール値はどんどん上昇してしまいますが、プロスタグランジンが正常に動くことで、血中のコレステロールは低下するのです。

また、アラキドン酸は血圧をコントロールし、高血圧を防ぐ効果もあります。

免疫機能を高める効果

アラキドン酸はさきほどもご紹介した通り、プロスタグランジンの材料となります。細胞膜に含まれるアラキドン酸は、酵素であるホスフォリパーゼによって切り出され、シクロオキシゲナーゼという酵素が作用することでプロスタグランジンに作り替えられるのです。

プロスタグランジンは、免疫機能を調節する働きがあるので、風邪のウイルスなどに負けない体づくりに役立ちます

記憶力を向上する効果

アラキドン酸は脳の神経細胞の主成分となるので、記憶力や学習能力を高めてくれます。

昔は、人の脳の神経細胞は3歳までがピークとされていました。それ以降は細胞がどんどん死んで減っていくだけだと考えられていたのです。しかし、最近は成人してからも神経新生が起こることがわかってきたのです。

また、神経の細胞間で伝達物質の放出が起きるときは、柔らかい細胞膜の方がスムーズに情報が伝達されると言われています。アラキドン酸には、この細胞膜を柔らかくする効果があるので、集中力や学習力を向上させる効果があると言えるでしょう。

アラキドン酸を摂取するには?

アラキドン酸は以下のような食べ物やサプリメントから摂取できます。

  • 魚類
  • 肉類
  • レバー
  • 卵などの動物性食品

アラキドン酸はこのような方におすすめ

  • 物忘れが増えたとお悩みの方
  • 記憶力や学習能力を高めたい方
  • コレステロール値を下げたい方
  • 高血圧を防ぎたい方

アラキドン酸の過剰摂取に注意!

アラキドン酸は過剰摂取に注意したい成分でもあるのです。現代人の食生活は、アラキドン酸を摂りすぎていると言われています。

アラキドン酸を摂取しすぎると以下のようなことが引き起こされます。

血栓の原因になる

アラキドン酸から生成されるトロンボキサンA2という成分の血小板凝集作用はとても強力です。この凝集を抑える効果を持つプロスタグランジンI2の効果もあるのですが、トロンボキサンA2の働きはかなり強いので、プロスタグランジンI2は負けてしまいがちです。

そのため、脂っこい食べものや肉の食べ過ぎは、血液を固めてドロドロにしやすいのです。ちなみに、一般的な食用油はほとんどオメガ6系なので注意しましょう。

がん細胞を増進させる可能性

アラキドン酸から生成されるプロスタグランジンは、血小板の凝集を抑えるプロスタグランジンI2、プロスタグランジンE2という物質も生成します。

このプロスタグランジンE2は、細胞死を抑制したり細胞の増殖を促す働きがあります。しかし、アラキドン酸の摂取のし過ぎによって、がん細胞にまで働き、増殖や転移を招いてしまうケースがあるのです。

気管支ぜんそくの原因につながる

アラキドン酸から生成されたプロスタグランジンやトロンボキサンは、局所ホルモン(エイコサノイド)と呼ばれます。このように、アラキドン酸から生成される局所ホルモンには、ロイコトリエンというものがあります。

このロイコトリエンは、気管支ぜんそくの原因になるのです。ヒスタミンという花粉症の初期症状などに生成されるホルモンよりさらに強力なパワーを持っているため、アレルギー反応が起こりやすいホルモンなのです。

脳のアンチエイジングにつながるアラキドン酸

肌老化を気にしてアンチエイジングを行う女性は多いですが、脳の老化を抑えることも大切です。

記憶力の向上や集中力を高める効果を持つアラキドン酸は、加齢とともに減少してしまいます。具体的には、40歳ころから減り始めると言われています。そのため、このくらいの年齢に来たら、意識してアラキドン酸を摂取することが大切なのです。卵やレバー、肉、魚などから摂取するのも大切ですが、サプリから摂るのもおすすめです。

アラキドン酸は、単独で摂取するより脳に良いと言われるDHAと一緒に摂ることで、より高い効果が期待できます。DHAは、青魚に多く含まれているので、毎日の食生活やサプリなどで積極的に摂り入れましょう。

いつまでも物忘れなどがないように、両方の成分をバランス良くしっかり摂取することが大切です。

このような方におすすめ

  • 物忘れが多くなった方
  • 人や物の名前が出てこない方
  • 不注意が多くなった方

まとめ

いかがでしたか?

アラキドン酸は、たくさんの食べ物や食用油に含まれている成分です。人間の体にとって沢山のメリットをもたらしてくれる成分でもありますが、過剰摂取には注意したいところです。摂りすぎることなく、必ず栄養バランスに注意することが健康につながります。

しかし、加齢とともに物忘れや記憶力が落ちてきた方は、意識して摂取したほうが良いでしょう。

特に、アラキドン酸は青魚に多く含まれているDHAと合わせて摂ることでより高い効果が期待できます。ぜひ、毎日の食生活で意識して摂取してみてはいかがでしょうか。

TOP