美に敏感なみなさんならきっと聞いたことがあると思います。
「アーユルヴェーダ」。
美容トリートメントの効果がたくさんクローズアップされていますね。
ところが、アーユルヴェーダが本当に重きを置いているのは驚くことに医学なんです。
そして人としての生き方の指針を示してくれる学問でもあります。
「人はいかに生きるかを説いた総合的な人間学」と言う方もいらっしゃいます。
一方、「ゴツコラ」という名から想像される姿は、表面にゴーヤの3倍ぐらいの突起があって、1本1本の突起に短くてゴツい毛が生えている。
ゴジラが食べそうな怖い感じ。
全然違いました。
蔓を地表に這わせ、ハート形の葉をもった、たおやかな植物でした。
ゴツコラには別名がいくつかあります。
例えば、日本では「ツボクサ」と言われています。
呼び名の多さは、「ゴツコラ」が、様々な分野で使われている、ということを示すのでしょう(この記事では、「ゴツコラ」に統一したいと思います。他の呼び名の説明など、必要な場合は違う呼び名にすることとします)。
なるほど、効果の多さにもそれは現れています。
血行促進、記憶力、抗菌作用、脳の活発化など、枚挙にいとまがありません。
この「ゴツコラ」がアーユルヴェーダと何らかの関係があるとのことなので、調べてみたくなりました。
さっそく探ってみたいと思います。
目次
アーユルヴェーダって美容ケアでしか知らないんだけど…
先にも触れましたが、アーユルヴェーダの効果は美容トリートメントだけではありません。
大軸を「健康」に据えた医学なんです。
「ゴツコラ」はアーユルヴェーダで何らかの治療をするメディカル・ハーブなんですね。
美容ケアはアーユルヴェーダの知恵を応用したものと考えられています。
発祥は諸説ありますが、3千年以上前、南インドケララ州にてだと言われています。
そしてその後、インドやスリランカで発達していったようです。
西洋医学とはどう違うのでしょう?
「病巣や患部の治療に軸を置く医学」の西洋医学に対し、アーユルヴェーダは、「病気を予防すること」に軸を置いています。
もちろん、病気を治す治療も行いますが、しかしそれだけではなく、幸せで実りある人生を送るための哲学をベースにした「心や魂の問題を含む論理哲学」でもあるのです。
体に何か不調が起こった時、その部位にピンスポットを当てるのが西洋医学、体全体の様子を分析し、不調の原因の根源にアプローチして、治療法をほどこすのがアーユルヴェーダなんです。
アーユルヴェーダでは摂取する食物に大きな比重を置いています。
私たちは「食べるものからできている」からです。
料理には必ずと言っていいほど、スパイスやハーブを使います。
おいしい料理で今の自分の状態に必要があるスパイスやハーブを摂れるとこれほどいいことはありませんね。
たしかにジャンクフードばかり食べているのと、アーユルヴェーダを活かしたプラウ(スパイス入り炊き込みご飯)などを食べているのでは当然後者が健康になるのは目に見えています。
料理はそれぞれの体質(ドーシャ)を調節する役割も担っています。
さて、今、何気なく「体質(ドーシャ)」と入れましたが、ドーシャというのはアーユルヴェーダにとって非常に重要な要素になります。
ドーシャは「体質」と訳されます。ヴァータ、ビッタ、カパの3ドーシャから成り、3つのドーシャのバランスがよい状態が「健康」とされています。
ドーシャの詳しいことは後述します。
ゴツコラってどんな植物?若返るってホント?
ゴツコラはアーユルヴェーダでは最も重要な「若返りのハーブ」として扱われています。
これはゴツコラの血行を促進する作用や抗酸化作用などが酸化を抑える、つまり、老化を遅らせる作用があるからだとか。
血行がよくなると新陳代謝も適切なサイクルで行なわれるようになるので、肌トラブルの改善が期待できます。
先ほども触れましたが、ゴツコラには呼び名がいくつかあります。
「ツボクサ」、「センテラ」、「ゴツコラ」、アーユルヴェーダではブラフマンの知恵、という意味をもつ「ブラフミー」と呼ばれることもあります。
「ブラフマン」とは、“宇宙の原理そのもの”という意味だそう。
「ラサヤナ」とも呼ばれます。
ゴツコラ自体を「ラサヤナ」というわけではなく、「長寿法」という意味で長寿に効果がある薬草の総称が「ラサヤナ」とされているようです。
ドーシャについて
アーユルヴェーダで非常に重要な要素である、「ドーシャ」について、少し詳しくみていきたいと思います。
ドーシャ(体質)は、ヴァータ、ビッタ、カパの3要素から成り立っています。
体内で、ヴァータは動きのエネルギー、ビッタは熱のエネルギー、カパは結合のエネルギーを支配します。
この3つのドーシャを軸に、体内の生理機能をキープするための要素の働きが成り立つのです。
ところが、時間帯、本人の体質・状態、年齢などによってドーシャは往々にしてバランスを崩してしまい、「健康」ではなくなってしまう、というのがアーユルヴェーダの考え方です。
ゴツゴラにはビッタ(動き)のエネルギーを強くし、ヴァータ(熱)のエネルギーを抑制、カパ(結合)の過剰なエネルギーを抑制する働きがあります。
神経を落ち着かせ、霊性の高い植物とされています。
ゴツコラは薫香としてヨガやアーユルヴェーダの瞑想に使われてきたようです。
薫香としてだけではなく、ゴツコラには様々な作用があります。
ゴツコラの作用
・血液を浄化し、血流を促進します。神経や脳を活性化し、記憶力を向上させます。
・免疫機能や抗酸化作用があり、老化を抑えます。
この老化防止作用を「若返り」としていたと思われます。
・皮膚の深部の回復を促し、ニキビやシミといった肌トラブルを改善します。
・精神の疲れをとる働きもあります。
・鎮静作用でリラックスできます。
アーユルヴェーダにとってのゴツコラって?
ゴツコラは、主に神経と脳細胞を活性化するハーブとして、さらに老化や老衰を抑える若返りの薬として使われてきました。
ゴツコラは何千年という間、アーユルヴェーダでもっとも重要なハーブとして大切にされてきたのです。
ヨガと同じように、アーユルヴェーダにも瞑想があります。
インドの一部ではゴツコラを、あらゆるハーブにおいて、最もスピリチュアル、つまり、「霊性や精神性が最も高いハーブ」としています。
すでにふれましたが、ゴツコラは瞑想用の薫香としても利用されていました。
この香を瞑想の前に焚いて、心を浄化していたのだそう。
瞑想に入った状態を強力に高め、瞑想に集中しやすくする効果があるようです。
アーユルヴェーダは病気を治したり予防したりする医学ですが、例えばストレスのたまった患者を診て、瞑想するとよい、というアドバイスと共にゴツコラなど鎮静作用のある薬草などを処方したのではないでしょうか。
瞑想では、何も考えない状態で自分の心と向き合います。
さまざまな必要のない想いを手放して、精神を浄化し、ストレスを解消していたのではないでしょうか。
現代でも、ストレス解消や集中力の鍛錬に瞑想を勧める書籍などもたくさん見かけますね。
アーユルヴェーダでは瞑想によって外側の情報に晒された五感を調整します。
それにより、自分自身の心を見つめる目をもてるようになります。
外から受け取った情報に乱れてしまう心を静かに見つめ、やさしく対応していく、これがアーユルヴェーダの瞑想です。
アーユルヴェーダは医学なので、若返りや鎮静作用など、たくさんある効果がその患者にとってベストだと判断した場合に、ゴツコラを用いていたのでしょう。
薬草として使われていたほかに、その香りで瞑想状態になりやすくするのもゴツコラの役割だったのだと考えられるのではないでしょうか。
太古から現代まで人はストレスとは無縁ではいられなかったのでしょうか。
現代は、どんどん速くなっていくスピードに乗って、ものごとが次から次へと目の前に流れてきます。
人は癒される時間も持てず、ストレスが溜まりやすくなっています。
体を悪くしてしまった方も大勢います。
病院に行って薬をきちんと飲んでも治らない、という方はゴツコラを試してみるのも健康の状態に戻るための選択肢として考えてもよいかと思います。
まとめ
この記事では、“ゴツコラとアーユルヴェーダ”について探ってみました。
やはり古代から残っているものは、それだけ効果があるということですね。
ナチュラルな薬なので、安心して飲むことができます。
ゴツコラはサプリメントとして販売されていることが多いようですが、複数の医師がサプリメントには効果が期待できないとの見解を持っているようです。
なるべくハーブティーなどとして摂取することをお薦めします。
私はハーブティーを飲んでみようかと検討しています。
みなさんは、いかがですか?