すっぽんの産卵!孵化後の赤ちゃんが大人になるまで

滋養強壮や美容効果が高いことで知られているすっぽんですが、その産卵法などを詳しくご存知の方はあまりいらっしゃらないかも知れません。

私たちが料亭などで美味しくいただいているすっぽんは天然ものや養殖されたものなどがあり、どちらもとても美味しいのですが、”大人のすっぽん”になるまでは一体どのように成長していくのか気になりませんか?

そこで今回はすっぽんの産卵について、また、すっぽんの卵が孵化してからどのように大人の立派なすっぽんになっていくのかをお伝えしたいと思います。

すっぽんと亀は違います!

甲羅があることからすっぽんと亀は似ているように見えますよね。しかしすっぽんは甲羅の周囲2㎝ほどを柔らかいゼラチン質で覆われており、甲羅と呼ばれる部位は亀の固い甲羅とは異なり、柔らかいのが大きな特徴です。

すっぽんは「一度噛みついたら雷が鳴っても離さない」と言われているほどとても強い力でものを噛むのですが、実は臆病で警戒心が強いため、昼間は他の動物に見つかってしまわないように身を隠していますし、食事をするのも夜暗くなってからです。

また、陸上では驚くほど速く走ることができるため、万が一野生のすっぽんを陸上で見つけたとしても猛スピードで川などの水の中に走って逃げてしまいます。カメは陸上ではゆっくりと動くので、そちらの点でもすっぽんと亀とでは大きく異なりますね。

カメを食べることはもちろんありませんが、すっぽんは甲羅がゼラチン質で覆われており、コラーゲンがとても豊富なだけでなくアミノ酸など多くの栄養素が豊富に含まれた素晴らしい高級食材として多くの方に愛されてきました。上品でさっぱりとした味わいは一度食べたら虜になる方も多く、最近では料亭だけでなく通販でもすっぽんを味わうことができるようになっています。

このようにすっぽんと亀は似ているようで違いますが、すっぽんの孵化法はミズガメと同じで良いようです。

すっぽんの産卵とは

さて、すっぽんはどのような時期にどのようにして産卵するのでしょうか。

すっぽんの産卵は盛夏期(5月中旬から9月初旬頃)が多いと言われています。一度の産卵に直径1~4センチほどのピンポン玉のような真ん丸の卵を多いと200個も産み落とします。

産卵するタイミングは夜中から明け方と言われており、長時間かかることもあるようです。すっぽんの産卵方法はウミガメで見られる産卵方法と同様で、深さ約15㎝ほどの穴を水かきを使って掘り、その穴の中に卵を産み落としていきます。

産卵が完了するとすぐに穴に砂をかけて、卵が見つかりにくいようにして水の中へと戻っていきます。親すっぽんの大きさによっても育った環境によっても産卵数は異なるようです。

有精卵か無精卵かを見分ける方法

すっぽんの卵の大きさは直径約2センチで、5グラム弱ほどです。とても小さく産卵直後に有精卵か無精卵かを見分けるのはなかなか難しいですが、産卵から2日くらい経過すると上部が不透明で白く濁っているように見えます。その場合受精卵の可能性が高いです。卵全体が均一な色をしていると、無精卵である可能性が高いでしょう。

3、4、5日と日を追うごとに卵の中央部よりやや下まで白く濁っていきます。

すっぽんはにわとりなどと同様で交尾をしなくても卵を産み落とします。先ほどご紹介したようにすっぽんは土の中に卵を産み落としますが、無精卵の場合には水中に産卵したり穴を掘らずに地表へ産卵することが多いです。

卵が孵化するまでの注意点

すっぽんの卵が有精卵と分かったら、卵が無事孵化するように注意しなければならないことがあります。

  1. 厳密でなくても良いので砂の温度を30℃前後に維持する
  2. 湿度を高くして卵を乾燥させないように注意する
  3. 時々塩素の含まない水が入った霧吹きで水分を供給する
  4. 直射日光は当てないようにする
  5. 卵は呼吸をしており、卵の表面を直接濡らしてしまうと窒息してしまうので直接濡らさない
  6. 卵の天地の向きを逆にすると死んでしまうので、ひっくり返さないようにする

順調に卵の中ですっぽんの赤ちゃんが育っていれば、およそ2ヶ月で孵化します。スッポンの孵化法は他のミズガメと同じで良いそうなので、すっぽんの有精卵を手に入れた場合にはネットで検索してしっかりと孵化させてあげましょう。

すっぽんの赤ちゃんの特徴

すっぽんの赤ちゃんのお腹は鮮やかな朱色をしています。これはすっぽんの赤ちゃんの特徴で、直径5センチ以上ともなると腹部はクリーム色になっていきます。

噛みつかれても大人のすっぽんとは違い、全く痛くありません。小さいながらも首を伸ばして噛みつこうとするのは、すっぽんの防衛反応が備わっている証拠ですね。

産まれたばかりのすっぽんの稚亀の体長はおよそ3センチくらいで、産まれた直後は丸いのですが徐々にエンペラの部分が伸びてきて大人のすっぽんと同様に楕円形になっていきます。

すっぽんの赤ちゃんの顔も可愛らしいですが、サイズもとても可愛いので思わず自宅でも飼いたくなりますよね。

しかしすっぽんの平均体長はおよそ25センチで、中には60センチにもなるすっぽんもいますので、ご自宅で飼育される場合には大きくなったときのことも考慮しておきましょう。

まとめ

すっぽんコラーゲンやアミノ酸などの栄養が豊富に含まれており、古くは薬として利用されており、現代ではそのうまさと高い美容・健康効果があることから高級食材の一つとして広く知られています。

神経質で臆病な性格のすっぽんですし、野生のすっぽんの数が昔と比べると少なくなっている上に冬眠する時期が長いことからなかなか日常生活で目にする機会が少ないですよね。

そんなすっぽんも産卵を乗り越え、見事に孵化して生き残ったすっぽんは大人へと成長していきます。

すっぽんの卵も食べることができますが、すっぽんの努力に感謝して美味しくいただきたいものですね。

 

高級料亭やまさでは健康なすっぽん作りをやまさ専用の養殖池で行っています。大分県の豊かな自然の中で育ったすっぽんは、餌にもこだわり脂身が黄色くなった上質なすっぽんに育ちます。

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