すっぽんは栄養豊富な食材です。
食材としての知名度はとても高いです。
女性に嬉しいコラーゲンが豊富に含まれているということもよく知られています。
しかし、一食材としては有名でも、すっぽんという生物の生態がよく知られているかというと、そういうわけではないようです。
一見すると亀のようなイメージのすっぽんですが、違う点も多いです。
皆さんはすっぽんが野生ではどこに生きているか、どんな方法で養殖されているか、どんなものを食べるかをすらすら話すことができますか。
一般家庭でよく飼育されている犬や猫といったペットに比べて、すっぽんの生態はよく知られていないという現状です。
今回はすっぽんの生態の中でも特に「寿命」「寿命を延ばす飼い方」という部分に焦点をあてて解説します。
皆さんは、すっぽんはどれくらい生きるか答えられるでしょうか。
そして、すっぽんの寿命を延ばす飼い方はどうすればいいのか
その答えを、今回はズバリお答えしてしまいます。
目次
寿命はどのくらいなの?長命な亀種族
「鶴は千年、亀は万年」という有名な言葉があります。
この言葉は長寿な動物の例えであり、実際に鶴が千年生きたというデータはありません。
現実にこのくらいの寿命を持つわけではないということです。
しかし、亀に関していえば、この寿命は決して大げさではないと言われています。
なぜなら、亀は人間という種よりももっと古い種であるかもしれないからです。
種族という意味で見れば、亀は万年どころではない長い年月を生きてきた種族であるといわれます。
亀は「生きる化石」といわれます。
現在の亀の起源は何と2億年前に遡るといわれます。
2億年前の亀は現在の亀と大きさや姿自体は違っているのですが、亀としての種は2億年前の現在とはちょっと姿形の違う亀にあるといわれているということです。
2億年もの間、姿や生活環境を変えて生きてきたことを考えると、人間よりもずっと種として長い命を持った生き物であるといえるでしょう。
時代と生活環境の移り変わりを経て、亀は現在のような多数の種類に分岐しました。
現在の亀は200年以上生きるといわれます。中には250年以上生きたい個体も記録に残っています。
亀は自然界に多く生きていますから、自然の亀が実際に何歳くらいの平均寿命なのか、何歳まで生きているかはわかりません。
データでは250年生きたという亀がいますし、自然界の亀の中にはこれより長い年月を生きている亀もいるのではないかといわれています。
実際に全ての亀を調べたら、千年以上生きている亀が出てくる可能背もゼロではありません。
そう考えると自然の神秘や寿命の不思議というものを感じますね。
すっぽんは虫類カメ科スッポン科に分類されているカメの一種で、甲羅が柔らかく角化していないのが特徴の生き物です。
すっぽんは噛みつく力が強いのが有名で、雷が鳴っても離さない・・などとも言われています。
すっぽん寿命も200年以上なの?
亀はとても長命な一族です。
それは亀という種に属するすっぽんも例外ではありません。
では、具体的にすっぽんはどのくらい生きるのかというと・・・実は、わかっていません。
すっぽんを放置した場合、どれくらいの年月を生きるのか、現状で正確なことはわかっていないのです。
亀の一族の中で250年以上生きた個体がいるためそのくらい生きる可能性もあります。
すっぽんは体の特徴が他の亀とは異なっていることから、他の亀より短命ではないかとも考えられます。
あくまで「言われている」「考えられる」だけで、本当のことはわかっていないのです。
なぜ本当のことがわからないのかというと、それは、すっぽんは食材として食べられることが多い亀の一族だからです。
すっぽんは日本や中国などのアジア圏だけでなく、フランスやアメリカでも高級食材として人気があります。
養殖のすっぽんは大体1~3年で食材になります。
すっぽんの原産地はロシア南東部や東アジア、東南アジア、アメリカからメキシコにかけての川や沼、池などです。
体重は平均すると2キロ程度で、体高は25センチ~大きいものだと60センチ程度まで成長することもあるようですね。
養殖のすっぽんは大体1~3年で食材になります。
天然のものは~5年くらいで捕獲されて食べられてしまうことが多いです。
つまり、滋養強壮があり肉も美味しく出汁も良い人気食材だからこそ、すっぽんは寿命を迎える前に食べられてしまうことが多いわけです。
食材として食べられるすっぽんは比較的年齢の若いすっぽんです。若いうちに食べられてしまうからこそ、具体的にどれくらい生きるのかわかっていないのです。
すっぽんの寿命は簡単に計れない
すっぽんという生き物が亀に属すものです。
しかし他の亀と異なっていることも、寿命を調べ難い理由の一つなのです。
天然のすっぽんは養殖と違い、一定の年数で食材にされるわけではありません。
捕獲されなければ自然環境下で生き続けます。
すっぽんは必ずしも養殖という形だけで生きているわけではなく、日本の湖沼に自生しています。
晴れた日はよく岩の上で甲羅干しをしていますので、自然のすっぽんを湖沼公園などで見たことがあるという人もいることでしょう。
すっぽんがよく岩の上で甲羅干しをしているのは、他の亀よりも皮膚が弱いという特徴があるからです。
皮膚が弱いからこそ皮膚病予防のために、天気の良い日はお日様に当たりに水中から出てきます。
また、すっぽんは甲羅が他の亀に比べて非常に柔らかいという特徴があります。
他の亀が甲羅で防ぐことができるようなダメージを、すっぽんは甲羅で防ぐことができないという特徴があるのです。
すっぽんは他の亀が外的からの攻撃に対して甲羅を発達させて身を守るようになったことに対し、水中に隠れ潜むことと、爪とあごを発達させることにより対処する道を選びました。
すっぽんは分解能力が発達しているため水中でも効率的に酸素の摂取が可能です。水中での生活に向くのです。
爪とあごが強靱なので、人間がうかつに手を伸ばすと大怪我をすることになるでしょう。
亀の一族ではあるのですが、甲羅の固い亀とは違う長所と短所を持った亀がすっぽんなのです。
ですから、甲羅の固い亀は実際に250年生きたという記録を純粋にすっぽんに対しても当てはめることができるかというと、違うのではないでしょうか。
すっぽんは亀の一種だからこそ長命であると言われます。
好条件が重なるとかなり長生きするとも言われます。
しかし、具体的にどれくらいの寿命を持つかはわかっていないということです。
でここからはすっぽんの飼育の仕方を見ていきましょう。
すっぽんの飼育に向いている人とは
では、すっぽんの飼育に向いている人とはいったいどういった人なのでしょうか?
すっぽんの甲羅は柔らかいので、猫や犬を飼っている人は襲われないように注意が必要です。
他のペットに襲われないように飼育出来る人が向いている人と言えるでしょう。
すっぽんのえさとは
すっぽんを飼育するには、えさはどんなものをあげればいいのでしょう。
野生のすっぽんは両生類、魚類、甲殻類、水草・・など、さまざまなものを食べて生きています。
なので、一般的に肉食と思われがちですが、実際には雑食動物です。
この点では亀と同様で、ペットとして飼育するにしても配合飼料で栄養バランスを取りながら生き餌を与えるのが理想的ですね。
その理由は配合飼料は栄養バランスはいいですが、生酵素が入っていないので寿命を延ばしたいなら生き餌が必要になるからです。
タニシやミルワーム、アカムシなどを与えましょう。
エサを与える時に注意する点は手をかまれないようにすることです。
すっぽんに噛まれると、とても痛いです。
ただ、噛んだら離さないと言われていますが、水につけると離れてくれるようですね。
噛む力はすごいので、じゅうぶん注意しましょう。
飼育にかかる初期費用
すっぽんを飼う時の初期費用はいくら位なのでしょうか?
すっぽんは大きなペットショップや通販などでも購入できますが、通販だと食用の1キロ程度まで育ったものが一般的です。
価格については稚亀ですと1000円程度で、成長すると3000~4000円程度で売られています。
オスとメスで価格に差はなく、購入の際には性別を指定できないのが一般的です。
すっぽんの寿命を延ばす飼育法
日光浴
エサも重要と言えますが、他にも大切なポイントがいくつかあり、亀と同様日光浴ですね。
すっぽんを水の中で飼育するだけでなく、たまには外に出してあげるようにしましょう。
池と陸地とを用意し、そこで飼育することが理想です。
そうすれば日光浴が好きな時にできますし、紫外線を浴びれば骨を強くすることができます。
週に2回1回当たり10分程度の頻度が好ましいです。
冬眠させない
さらにもう1つ、それは冬眠させないということです。
一般的には10~11月位になると枯れ葉などを用意し冬眠させる準備をしますが、実際にはわざと冬眠させないと寿命を延ばすことができます。
冬眠している間は栄養分を摂れませんし、もし間違えるともう起きないこともあったりします。
また、無理やり5月頃に冬眠から起こす・・なんてことは最悪です。
それは最悪の場合、死亡に繋がると言ってもいいでしょう。
あえて冬眠をさせずヒーターで常に水温を25度にしておき、陸地の部分も25度にヒーターで温めておくといいでしょう。
そうすれば、すっぽんは冬眠しなくて済むからです。
病気に注意する
・寄生虫
すっぽんは寄生虫に寄生されると食欲が落ちると言われています。
さらに、皮膚に白い綿状の症状が出たりもします。
なお、すっぽんに感染する寄生虫にはツリガネムシという虫がおり、すっぽんの体や水槽の中が緑色に見えるのが特徴です。
そうなったら寄生虫に感染したと思っていいでしょう。
・ムコール病
この病気はカビにより起こる皮膚病で、発症すると甲羅に白斑ができてしまい、皮膚が壊死していきます。
日光浴不足によって発症すると言われているので、週に何度か日光浴をさせることで防げます。
病気に注意する
上で書いたことと重複しますが、家の中で猫や犬を飼っている場合には注意しましょう。
すっぽんの甲羅は亀とは違っており柔らかいので、猫や犬に襲われて甲羅が傷つくと怪我をしてしまうからです。
怪我をすれば、傷口から細菌感染し病気になることがあります。
ですので、水槽に蓋を付けたり、猫や犬が入ることのできない部屋に水槽を設置するなどして襲われないように対策をしましょう。
最後に
すっぽんの具体的な寿命はわかっていません。
だからこそ「長命な生き物です」と言うことはできますが、何年生きますと断言することはできません。
食材として知名度の高いすっぽんですが、その生態についてはわかっていないこともあるのです。
自然のすっぽんが晴れの日にひなたぼっこをしていたら、その光景を目にしている人間よりも年上だったという可能性もあるのです。
飼い方については数匹を一緒に飼育するとすっぽん同士で噛みつくことがあるため、初心者の方は多頭飼いではなくまずは1匹だけ飼う方がいいでしょう。
もし、多頭飼いしたいなら水槽を別にしておくことをおすすめします。
ただ愛情いっぱいで飼っていると、飼い主に対しては噛みつかなくなるとも言われています。
ぜひ、愛情をいっぱい注いで飼っていただき、可愛いすっぽんを少しでも長生きさせてあげてくださいね!