目次
はじめに
みなさんはすっぽんと聞くと、どういったことをイメージされますか?
恐らく、一般的に食用のすっぽんをイメージする方が多いでしょう。
ですが、それはごく一部のすっぽんです。
実はすっぽんには世界中にたくさんの種類に分類され、さまざまな環境で生息しています。
噛み付いた時の力がかなり強いことでも有名ですよね。
「雷がなっても離さない」とまで言われています。
ここでは、そんなすっぽんの生態や噛む力、特徴などについてお教えしたいと思います。
ぜひ、ちょっとした豆知識として頭に入れておいてくださいね!
すっぽんの種類とは
まずはすっぽんの種類についてご説明したいと思います。
キョクトウスッポン
日本にいるすっぽんにキョクトウスッポンというものがあります。
体長は最大40センチ程度です。
日本の本州以南に昔住んでいたこのすっぽんは食用のため養殖されるようになると、そこから逃げ出した一部のすっぽんが各地に生息するようになり広がったのではないかと言われています。
甲羅は柔らかく人間の力でも曲がるほどです。
なので、岩の間などでも自由に動き回ることができます。
このすっぽんの性格は怖がりなので、触るとかみつくため注意が必要です。
タイコガシラスッポン
このすっぽんは大きさが最大のすっぽんと言われており、タイ西部に生息しています。
最も大きな特徴は体長で、甲羅の長さは140センチにもなるそうです。
ただ、甲羅の大きさの割に頭が大変小さくかわいらしい体型とも言えます。
ヒラタスッポン
このすっぽんは東南アジアに生息するすっぽんで、日本のすっぽんより小さく体長30センチ程度です。
体長の割に頭が大きいため甲羅の形が長方形に見えるのが最大の特徴です。
さらに、生まれたての頃は顔に赤い斑点があり、日本でも観賞用にまだ数は少ないですが流通し始めている種類です。
すっぽんの生態とは?
すっぽんは日本ではサプリや料理の食材、ペットとして飼育されていますが、生態を詳しく知っている人は多くなくカメと同様の扱いを受けているようですね。
ここでは、そんなすっぽんの生態についてご紹介します。
日本にいるすっぽんは爬虫綱カメ目スッポン科キョクトウスッポン属に分類されるカメの一種で、別名をシナスッポンまたはキョクトウスッポンと言います。
日本での生息地は大変広く、一般的に川や池などでよく生息しています。
色は緑色で、甲羅は他のカメの甲羅のように多角形の模様ではなく柔らかいのが特徴です。
さらに、すっぽんの首はとても長く、触ろうとすると噛むこともあり性格は凶暴です。
すっぽんのオスとメスを区別するのは子どものころは難しく、成長してもメスは丸みを帯びている、尾の部分が少し短いなどしか判断する特徴がありません。
なお、一説によるとすっぽんは住む環境によりオスとメスが入れ替わることがあり、成長したメスだけを水槽に入れておくとオスに変わるものがあるそうです。
また、すっぽんはカメのように冬眠すると言われており気温が10度以下になると冬眠するのですが、この期間が10~4月までと大変長いのが特徴です。
なお、冬眠中は餌を全く食べないため生命力がいかに強い生き物かが分かるでしょう。
すっぽんが一般的に精力増進に優れているというのは、こういった生命力があることからなのでしょう。
すっぽんの繁殖期は5月頃で、その頃に交尾を行って6~8月頃に産卵をします。
ちなみにすっぽんは雨のよく降る年が分かると言われており、その年には川の水面から離れ安全なところに産卵すると言われています。
つまり、より多くの子孫を残すための力があるということでしょう。
雷が鳴っても離さないというのは本当?
よく聞く迷信で、”すっぽんは雷が鳴るまで離さない”というものがあります。
雷が嫌いな動物も多く、飼い犬でも雷の音を聞くと怖がったり吠えたりすることもよくあることですよね。
こういった事情からなのか、すっぽんには雷が鳴るまで離さない=雷が鳴ったら離してくれるというようなイメージが付いてしまっています。
しかし、これはただの迷信なのですっぽんは雷が鳴ったくらいでは離してくれません。
雷が鳴っても動じずに噛み付き続けるというのはすごいですよね。
そもそもすっぽんは何で噛み付くの?
すっぽんは噛み付くイメージが強いことから、攻撃的で気が強い生き物だと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際のすっぽんは攻撃的な性格とは真逆な臆病な生き物です。
つい噛み付いてしまうのもこの臆病さが関係していて、自分が危険な目に遭うのではと思った時に噛み付いてしまうようです。
すっぽんは甲羅を背負っているのでその中に隠れれば安全なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実はすっぽんの甲羅は柔らかいのでそこに隠れれば安全とは言えないのです。
普段、カメを見慣れているとすっぽんとカメの意外な違いにちょっとびっくりしますよね。
すっぽんは甲羅に頼れないからこそ、危険だと思うと噛み付いてきます。
実はすっぽんには歯がないので、噛まれても思った以上の大怪我になることは稀です。
それでも、顎の力だけで離れないということを考えると、顎の力がものすごい力で痛みもかなり強いということがわかりますよね。
すっぽんに噛まれないようにするには
すっぽんを自分で調理しない人はすっぽんに噛まれるということはまずないかもしれませんが、すっぽんにうっかり手を出してしまったり調理をする時には噛まれてしまう危険性ももちろんあります。
水のない場所に出さなければいけない調理をするシーンでは、特に臆病なすっぽんが危険を感じるようなシーンの一つと言えます。
そういった時には人の指をエサと間違えることはないかもしれませんが、すっぽんも危険から自分を守るために必死になって攻撃をしてきます。
そんな状態になったすっぽんを扱うのは、大変なことですよね。
しかし、噛むのが顔の方だということがわかれば、噛まれないようにするためにはどうすれば良いかは何となく想像がつくのではないでしょうか。
調理をする時にはお尻の方を持つようにすれば、噛まれるようなことはありません。
手際が良ければいけないので少し大変ではありますが、お尻の方を持って素早く頭の方を切ってしまえば、噛まれずに調理をすることができます。
生きているすっぽんを扱うのは慣れている人でないと難しいと感じることもあるので、不安な方はすっぽんが食べられる料亭などを利用してみることをおすすめします。
すっぽんを扱うプロが作ったすっぽん料理なら自分が怪我することなくすっぽんを食べることもできますし、味も確実に美味しいです。
すっぽん料理には養殖のすっぽんと天然のすっぽんがあります。
すっぽんをあまり食べたことがない人には養殖からチャレンジして欲しいですが、養殖のすっぽんと天然のすっぽんの味の違いを比べてみるのも良いかもしれませんね。
すっぽんに噛まれた時はどうするべき?
基本的には噛まれないように注意したいすっぽんですが、もし噛まれてしまった時にはどのように対処をしたら良いのでしょうか。
雷が鳴っても離さないというくらい強力な噛み付き方をしてくるすっぽんですが、意外とすんなりと離してくれる方法ももちろんあります。
噛まれて焦っている時についやってしまいがちなことが噛まれた指を振ってみたり力ずくで手から離そうとすることで、これは逆に危険なので絶対にやめましょう。
すっぽんを手から離す方法は意外と簡単で、すっぽんを水にそっと戻すだけです。
なぜこの方法だとすぐに離れてくれるかと言うと、それにはすっぽんの臆病な性格が関係しています。
水の中というのはすっぽんにとって安心できる場所なので自分に危険はないとわかって離れてくれるのですが、無理矢理離されたり自分の体が投げ出されると思うとすっぽんは怖がってしまうので、安心感を与えてあげることが大切なのです。
他にも、すっぽんを疲れさせて体力を消耗させることで離すといった方法もあります。
しかし、この方法だといつになったら離れてくれるかがわからないだけでなく、かなりの時間がかかる可能性もあります。
だからこそ、早く指から離すためにも水にそっと戻すことがポイントとなります。
噛む力が強いことから怖いイメージがあるすっぽんですが、その対処法をきちんと知っておけばいざという時にはすぐに対処することができますよね。
すっぽんを調理する時には最初から噛まれた時のことを想定して、水を溜めておくなどの準備をしておくことをおすすめします。
すっぽんの生息場所とは?
では次に、すっぽんの生息場所はどういったところなのでしょうか。
寒い北陸地方でもかなり生息しているようです。
すっぽんは冬眠する期間が非常に長いので、冬眠しやすい場所でなお産卵できる環境が近くにあるところを好むようですね。
冬眠する環境は水深の浅い場所か陸地に上がりやすいところのようです。
なお、すっぽんは鼻で呼吸しますが冬眠中は酸素をほとんど使わないため、川底でも冬眠できるそうです。
産卵場所は陸地でなおかつ砂地を好みますが、あまり硬いところでなければ土の上でも産卵できます。
以上のような条件にあてはまった環境でも、餌がなければ生息することはできません。
餌はザリガニやタニシ、ミミズなどで、冬眠からさめた5月頃はまだ動きも鈍くもっとも好んで食べるのはタニシのようです。
5月だとまだザリガニは少ないですし、梅雨になるまでミミズなども少ないからでしょう。
他にすっぽんの生息場所としては温泉地などで温泉水が排水されているところや、以前すっぽんが養殖されていた池があったところ、ジャンボタニシを駆除するため放流された場所・・などが挙げられます。
このジャンボタニシはピンク色の卵を竹藪や葦などに産卵します。
そういった場所にすっぽんは多く生息するとも言われています。
まとめますと、水深1メートルより浅く泥や砂のあるところ、タニシやザリガニの多いところなどが揃った条件の環境にすっぽんは多いということですね。
もし、お近くにこういった場所があれば一度探しに行ってみてはいかがでしょうか?
天然のすっぽんを見ることができるかもしれませんよ?
すっぽんの寿命とは
すっぽんの寿命はカメと同様大変長いです。
特に自然界に生息するすっぽんの寿命は100年とも言われています。
すっぽんの個体にもよりますが、一般的に寿命は約30年前後だと言われています。
養殖されているすっぽんは天然のものとは違い、そこまで寿命は長くないそうです。
養殖の場合2~3年、天然の場合5年だと言われています。
それは、冬場も冬眠させずに養殖していることや餌が人工的なものだからだそうです。
そう考えてみると、すっぽんは人間などよりかなり寿命が長いと言えるでしょう。
昔からすっぽんは万病に効くとも言われており、寿命が長いためその成分を人間が摂ることで健康で長生きできると言われているのです。
すっぽんの驚きの生命力エピソード
すっぽんの驚きの生命力と言えば、小さな体で寿命が長いこともですが、食用でさばいた場合、さばいても動き続けることも、よく挙げられます。
今回は、すっぽんをさばいてすっぽん料理を作った方のブログをご紹介します。
“以前釣って来て食べた鰻も生命力がありましたが、スッポンも凄いです!
切りとった首が動いているのは、まあ、あるとしても、四肢が動く動く!
首の無い胴体の尻を持てば、後ろ足で手を引っ掻いてくるし首側(首はもう無いけど)を持てば、前足で手を引っ掻いてくる
苦手な人は卒倒するんじゃなかろうか
反射作用だと言うが・・・正確に手を引っ掻て来るのが、反射なのだろうか??
毎度の事、動物の生命力には驚かされますね。(鰻や鼈が精力が付くと言われる由縁なのかな?)”
(引用:http://blog.goo.ne.jp/nekoronde-sorawomiru/e/3842b9541e1ba8f9b73a9b65ffe68865)
このように、食用のすっぽんはさばいても、しばらくの時間動き続けるほど生命力があることが分かります。
この他にも、実際にすっぽんをさばいている映像とともに、動いている姿を見れる動画もyoutubeにたくさんアップされています。
これらの動画は、すっぽんをさばいた様子が映像になっているので、グロいものが苦手な方は見ないことをおすすめします。
すっぽんの生命力がスゴい理由とは?
ここまで、すっぽんの寿命と驚きの生命力エピソードについてご説明しました。
ここから本題の、すっぽんの生命力がスゴい理由についてご説明しますが、その前に「すっぽんの生命力がスゴい」と言われだしたきかっけ、すっぽんの歴史について簡単にご紹介します。
すっぽんの歴史について
すっぽんの歴史についてはさまざまないわれがありますが、今回は、いわれの中で共通している項目をご紹介します。
すっぽんは約3000年~4000年前、中国で食べられるようになったと言われています中国にある記録では、楊貴妃が宮中料理の一つとしてすっぽん料理を好んで食べていたと書かれています。
すっぽんは絶滅することなく、3000年以上も食べられてきた、歴史深いものであることが分かります。
また、すっぽんは姿形が似ている亀と異なるところがあります。
亀と言えば、水中で暮らしているイメージがありますが、すっぽんは水中だけでなく、陸上でも生活できることが知られています。
すっぽんは臆病で怖がりな性格をしている個体が多いのですが、逃げ足はとても俊敏で運動能力も高いです。
普段、すっぽんは水中で生活しており、最も生活しやすい水温は20度~30度で比較的温かい温度を好みます。
そのため、水温が15度以下になると力を蓄えて、すっぽんの機能を停止して水中で冬眠します。
普通の生物だと、生きづらい環境になると、機能を停止して冬眠をするのではなく、生命維持ができなくなり死んでしまうことが多いものです。
しかしすっぽんは、水中でも陸上でもそして水温の変化があっても生き続ける、とても生命力がある生物だと言えます。
まとめると、すっぽんは、
・3000年~4000年前から食べられている生物で、絶滅することなく生き続けていること
・水中、陸上そして水温の変化があり、生きづらくなってもその場に順応して生命を維持することができる
つまり、強い生命力があることが分かります。
すっぽんの生命力がスゴい理由「長生きするための栄養成分が豊富に含まれていること」
先ほど、すっぽんの生命力がスゴい理由の一つとして、すっぽんの歴史をご紹介しました。
3000年~4000年前から、今と同様食用として愛されていたこと、そしてどんな環境でも順応して生命を維持できることはすっぽんの生命力がスゴい理由の1つです。
そして、もう1つの理由が「長生きするための栄養成分が豊富に含まれていること」です。
すっぽんは、水温が15度以下になると機能を停止して冬眠するとご説明しましたが、機能を停止しても生き続けることができるのは、すっぽん自体が体内に「生きるための栄養成分を豊富に含んでいる」ことが理由です。
すっぽんに含まれている代表的な栄養素をご紹介します。
必須アミノ酸
アミノ酸と言えば、体内でつくれるもの・つくれないものがあります。
その中で、すっぽんには、体内でつくれないものが含まれています。
体内でつくれないアミノ酸は、摂取しようと思っても、十分な量を摂取することは難しいものです。
アミノ酸は筋肉を作るもととなるタンパク質をつくる元となること、そして身体に溜まった老廃物を排出する基礎代謝を高める効果が期待できます。
ビタミンB群
ビタミンB群は、体内に入った脂肪や炭水化物、タンパク質を分解する働きがあります。
これらを分解することで、アミノ酸と同じく代謝促進をして、身体に溜まった老廃物を排出する効果が期待できます。
コラーゲン
コラーゲンというと、美肌をつくる成分としてご存知の方も多いのではないでしょうか。
事実、コラーゲンは肌の保湿を行い美肌効果があることはもちろんですが、実はタンパク質の一種でもあります。
タンパク質は健康に欠かせない栄養なので、すっぽんのコラーゲンでタンパク質を摂取することができます。
鉄分
鉄分と言えば、貧血やめまい防止に効果的な栄養の一つです。
鉄分が多く含まれる食品といえば、レバーやホウレン草などが挙げられますが、十分な鉄分量を摂取するためには、かなりの量を食べなければなりません。
しかし、すっぽんにはレバーやホウレン草よりも多い鉄分が含まれています。
このように、すっぽんには豊富な栄養素が含まれているので、冬眠をして機能を停止させても、十分長生きすることができるのです。
強い生命力があるすっぽんを摂ると体内から健康になる!
すっぽんの生命力がスゴいと言われる理由を知って、「だからこんなに健康効果があるんだ」と納得した方も多いのではないでしょうか。
強い生命力があるすっぽんを摂って、体内から健康になりましょう!
健康になりたいけどやっぱりすっぽんは苦手というかたは、サプリがおススメです。