コラーゲンと聞くと、「お肌によいもの」とか「アンチエイジング」とか美容について思い浮かべるという人は多いですよね。また、関節でクッションの役割をしてくれるため、腰痛やひざ痛を緩和してくれる働きも期待できます。しかし、このコラーゲンには筋肉にとってもなくてはならないものだということは意外と知られていません。
今回はコラーゲンと筋肉の関係について見ていくことにしましょう。
目次
筋トレは、コラーゲンの摂取で効率アップ!
コラーゲンと聞くと、お肌の潤いを保持したりハリをキープしたりといった美肌効果やアンチエイジング効果を思い浮かべるという人も多いでしょう。
しかし、コラーゲンがすごいのは、そんな美容効果だけでなく健康効果も優れているというところです。コラーゲンが持っている弾力は、関節部分でクッションのような役割を果たして腰痛やひざ痛を防いでくれますし、骨の生成にも関わってきます。
そんなコラーゲンの効果のうち、最近特に話題になっているのが『筋肉への影響』です。
スポーツや筋トレの後にはプロテインを飲むという人も多いかと思いますが、実は、この時コラーゲンを併せて摂取した方が効率よく筋肉をつくることができると言われているのです。
その理由はどうしてなのでしょうか?また、具体的な方法について詳しく見ていくことにしましょう。
筋肉とは
コラーゲンが筋肉へ与える影響を考えるには、「そもそも筋肉がどのようなものなのか」と知っておく必要があります。
ざっくりいうと、筋肉は、運動をする時に意識して動かすことができる骨格筋や、消化などを行う平滑筋、横紋筋、心臓を構成する心筋などに分けることができます。このうち平滑筋、横紋筋、心筋は内臓筋とも呼ばれています。
意識して動かすことができるかできないかなどはそれぞれの筋肉によって違ってきますが、面白いことにどの筋肉も細い繊維状の筋肉細胞がいくつも束ねられて1つの筋肉を形成するという形になっています。
筋繊維をいくつも束ねることで、筋肉は中々切れにくい丈夫さと太さを得ることができるのです。
そうして束ねられた筋繊維を伸ばしたり縮めたりすることで、私たちは円滑に生体活動を行うことができるのです。
コラーゲンの役割
それでは、コラーゲンは筋肉にどのような効果を与えることができるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
コラーゲンのおかげで筋肉が強くなる!?
コラーゲンと筋肉の関係でまず注目したいのが、コラーゲンが持っている『筋繊維を束ねる』という役割です。その役割を果たすのが筋膜と呼ばれる柔軟な膜です。筋膜は筋繊維を束ねて太くする働きもあれば、全身の組織を覆っているとても大事な部分です。
コラーゲンはこの筋膜の主成分で、エラスチンとともに形成しています。
そのため、コラーゲンの量が少ないと筋膜が作られる量も減ってしまうということが分かっています。筋膜の生成量が減ってしまうと筋膜が劣化してしまい、筋肉量が減ってしまうということが分かっています。
コラーゲンは、良質な筋肉の材料!
コラーゲンは様々なアミノ酸が組み合わされたタンパク質の一種。そのため、タンパク質でできている筋肉の良質な材料にもなります。
特に注目したいのが、コラーゲンに含まれる「バリン」「ロジン」「ロイシン」というアミノ酸です。
これらは、筋肉中の約35%を構成しているアミノ酸で、運動をした時に筋肉中にエネルギーを供給する役割を担っています。それだけでなく、これらのアミノ酸には筋肉の修復や疲労回復効果もあります。筋肉は修復されるたびにより大きく強くなっていきますから、トレーニングや運動の後に摂取することでより効率的に筋肉量を増やすことができると言われています。
また、コラーゲンは分解されると、POとOGという身体の細胞を活性化する働きがあるアミノ酸になります。
・PO:プロリン、ヒドロキシプロリンのジペプチド
・OG:ヒドロキシプロリン、グリシンのジペプチド
これらのアミノ酸によって、筋肉を作る筋芽細胞が活性化され、細胞を増やします。そのため、効率よく筋肉を大きくすることができるのです。
コラーゲンの効果的な摂取方法
筋肉量は加齢によって減ってしまうことが知られています。30歳からは、1年で0.3~0.8%の割合で減少してしまうと言われています。コラーゲンやアミノ酸バランスの良いタンパク質をしっかり摂取することで、筋肉もアンチエイジングしてしまいましょう!
理想的なコラーゲンの摂取量と実際
美容や健康のためには、1日に5000mg~10000mgのコラーゲンを摂取することが望ましいとされています。
しかし、実際のところ、日本人女性の場合は1600mg~2200mg 程度しか毎日摂取することができていないという調査もあります
コラーゲンを摂取したときには、お肌よりも関節や筋肉の方が優先的に届けられますが、まずは必要量を満たすように栄養バランスを見直す必要があるでしょう。
コラーゲンが多い食べ物
コラーゲンは、動物性のコラーゲンと海洋性のコラーゲンに分けることができます。それぞれ、100gあたりのコラーゲン量を見ていきましょう。
<動物性のコラーゲン>
牛スジ:4980mg
鶏なんこつ:4000mg
鶏手羽先:1990mg
豚レバー:1800mg
鶏もも肉:1560mg
豚スペアリブ:1460mg
鶏レバー:860mg
牛肩:750mg
<海洋性のコラーゲン>
フカヒレ(戻し):9920mg
ウナギ(かば焼き):5530mg
ハモ:3560mg
サケ:2410mg
サンマ:1820mg
シラス:1920mg
ブリ:1620mg
イカ:1380mg
エビ:1150mg
動物性のコラーゲンに比べて、海洋性のコラーゲンの方がカロリーも低く、摂取しやすいという魅力があります。
コラーゲンを含む食材の理想的な摂取方法
最後に、コラーゲンを含む食材の理想的な摂取方法をまとめてみました。
・摂取のタイミング
コラーゲンは毎食摂取することで、コラーゲンに含まれているアミノ酸を効率よく使うことができ、より活動的に運動がしやすくなります。
また、筋肉量を増やしたい時には、運動後に摂取することもおすすめです。運動後にプロテインだけを飲んでいた場合とプロテインとコラーゲンのサプリメントを併せて飲んでいた場合には生成される筋肉量に大きな違いが現れたという実験もあります。良質なタンパク質と一緒にコラーゲンを併せて摂るようにしましょう。
・お肉やお魚は皮付きで食べる
コラーゲンは、動物性でも海洋性でも関節の軟骨部分や骨に多く含まれています。実は、日々のコラーゲン量が不足しがちな理由として、最近はお肉やお魚の「皮を食べない」という人が多くなっているということが挙げられています。
皮部分はなんとなく残してしまうという人もいるかもしれませんが、なるべく食べるようにしましょう。
・コラーゲンの吸収率を上げる食べ合わせもある!
動物やお魚のコラーゲンを分解・吸収するためにはビタミンCが必須です。そのため、コラーゲンを摂取する時には、付け合せとして野菜や果物も併せて摂るようにすると、吸収率をアップさせることができます。
・加熱した場合はスープまで全部食べる
コラーゲンは、加熱することで水に溶けだしてしまうという特徴があります。
例えば、コラーゲンが豊富で吸収率も高いということで知られているすっぽん鍋の場合、お鍋でグツグツ煮ていると、少し冷めた時におつゆがプルプルのジェル状に固まってきます。これは、コラーゲンがおつゆに溶けだしてしまっている状態です。
そんな溶け出してしまったコラーゲンも、残さず食べることで美容や健康効果を得ることができます。すっぽん鍋の場合は、締めで雑炊が食べられることもありますので、コラーゲンを丸ごと摂取しやすい料理だと言えそうです。
・カロリーに注意
コラーゲン自体のカロリーは低いですが、コラーゲンを多く含む食材の食べ方は、フカヒレや鶏肉のようにこってりとした味付けや脂肪分が高い料理も多いです。日々の摂取量には気を付けたいですが、太ってしまわないためにもカロリーには注意しましょう。
・不足分はサプリメントで補う
1日に必要なコラーゲンの量についてお話したときに食事に気を付けていても、3000mgくらいが不足しています。そんな不足分を補うためには、サプリメントで摂取してしまうのがおすすめです。
特に運動のサポートや筋肉量を増やしたいといった目的でコラーゲンを摂りたい場合には、サプリメントの方が運動後に服用しやすいというメリットもあります。
アミノ酸バランスがよく、コラーゲンも摂れるようなすっぽんのサプリメントならわざわざ運動後にプロテインを飲まなくてもそれ1つで済みますので経済的ですよ。