クレンジングはファンデーションやポイントメイクなどのメイク汚れや、メイクの上に付着した油汚れ、ほこりなどの汚れをしっかり落とす大切な「落とすケア」です。
クレンジングや洗顔の落とすケアをきちんと行うことで、化粧水や乳液などの補うケアがしっかり働いていきます。美しい肌を保つには、落とすケアと補うケアの2つを行うことが大切です。
そこで今回は、落とすケアの中でも大切なクレンジングについて詳しくご紹介します。
正しいクレンジングの方法や肌に優しいクレンジング剤を知って、健康的な美肌を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
お肌の構造について
みなさんは、肌がどうなってできているのか知っていますか?肌は、一番上から「表皮・真皮・皮下組織」の3つの層で構造されています。
また、表皮の最上層の上から0.02mmの場所には角質と呼ばれる乾燥と外部の刺激から肌を守ってくれるバリア層が存在します。
まずは、このような肌の構造を詳しく見ていきましょう。
肌のバリアとなる表皮
表皮は表皮細胞の層、角質部分にはセラミドと水分、表皮の表面は皮脂などで構成されており、紫外線やウイルスなどの有害物質から肌を守るバリア機能のような役割を持っています。
- セラミド:セラミドは体内に存在する脂質の一つです。セラミドは角質層でスポンジのように水分を保持し、乾燥から肌を守る役割を持っています。また、肌の保湿貢献度の大半はセラミドであるとも言われています。
- 表皮細胞:表皮細胞は肌の深い部分で生まれ、成熟しながら上へと押し上げられ、最後は垢となって自然と剥がれていきます。
角質が生まれてから剥がれるまでを肌のターンオーバー(生まれ変わり)と言います。この『ターンオーバーの周期は28日で一周』であり加齢によってどんどん周期が広がっていきます。
また20代でも生活習慣が乱れていたりするとターンオーバーの周期は遅くなってしまいます。 - 皮脂:皮脂は肌表面をコートして保護する、車のワックスのような役割を持っています。
肌のバネとなる真皮
真皮は、コラーゲン繊維やエラスチン、繊維芽細胞、ヒアルロン酸などの成分で構成されており、肌の弾力とハリを維持するバネのような役割を持っています。
- ヒアルロン酸:ヒアルロン酸は水をゲル状に固めて、肌の保水と弾力を作る役割をしています。
- コラーゲン繊維:コラーゲン繊維はタンパク質繊維でもあり、網目状の柱構成をしています。コラーゲン繊維は皮膚において、真皮の支柱のような役割をしています。
- エラスチン:エラスチンはタンパク質繊維であり、柱と柱を止める接着剤のような役割を持っています。
- 繊維芽細胞:繊維芽細胞はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出している材料工場のような役割を持っています。
肌の栄養素運搬屋とごみ処理屋となる皮下組織
主に脂肪からなる皮下組織はとても柔らかい組織で、毛細血管やリンパ管が通っています。この皮下組織では、栄養素を送り出したり老廃物を排泄したりといった役割を担っています。
- 毛細血管:毛細血管は表皮や真皮に栄養素を送り、代わりに老廃物を受け取る役割を持っています。
- リンパ管:リンパ管は、血管からいらない老廃物を受け取って排泄する役割を持っています。
クレンジングの重要性
スキンケアの中でも、クレンジングは最も重要な工程です。
1日を過ごした肌は朝に施したメイクはもちろん、皮脂や汗、ほこり、花粉、細菌やウイルスなどの様々な汚れが付着しています。このような汚れをそのままにしておくと、肌の新陳代謝を妨げてしまい、ニキビや肌荒れ、乾燥、シミやしわなどの肌老化などを引き起こしてしまいます。
クレンジングの役割は、メイクを落とすことです。
化粧品にはたくさんの油分が含まれているので、顔を水で洗うだけでは落すことができません。
また、洗顔料はメイク汚れではなく皮脂などの汚れを落とす目的で作られているので、洗顔だけではメイクを落とすことができないのです。
クレンジングは油性の汚れを落とすケア、洗顔は水性の汚れを落とすケアと覚えると良いでしょう。
注意していただきたいのが、洗顔とクレンジングが一緒にできるW洗顔仕様のアイテム。
確かに同時にケアできるということで時短にも繋がるしとても魅力的ですよね!ですが大半のW洗顔仕様のアイテムは洗浄力弱くナチュラルメイクの方にはいいかもしれませんが、しっかりメイクは完璧にOFFしてあげることってなかなか難しいんです。
なので、ナチュラルメイク以外の方が使ってしまうと汚れが肌に残ってしまい肌トラブルの原因となってしまうのでご注意ください。
お肌に優しいクレンジング方法
クレンジングは、肌の上のメイクやその他の油性の汚れを落とす大切なケアの一つです。しかし、間違ったやり方でのクレンジングをしていたり、肌に合わないクレンジング剤を使っていたりすると、肌には大きな負担となってしまいます。
また、クレンジングの際に肌をごしごしとこすり過ぎることはNGです。
肌を必要以上にこすり、何度も手で刺激を与えてしまうと、肌のバリア機能が低下し、シミや色素沈着などのあらゆる肌トラブルにつながる可能性があるのです。
健康的な肌を保つには、肌に負担をかけずにクレンジングを行う必要があるのです。
【ごしごしとこすり過ぎると大変なことに!?その理由とは?】
それは『肌のバリア機能を低下させてしまう』という点がこすって肌に摩擦をかけてはいけない一番の理由です。
他にも摩擦はシミやソバカスなどの色素沈着の原因物質であるメラニンを賛成してしまうという点がわかっております。
冒頭でもお話しした通り、肌のバリア機能を担っているバリア層というのは、表皮の最外層の上から0.02mmの角質に存在しとても薄い層であるのに関わらず、「外界からの刺激を防ぐ」「肌の水分の蒸発を防ぎ保湿する」という大きな役割を担っております。
(ちなみに0.02mmというのはラップと同じくらいの薄さです。)
その薄さゆえ、にごしごしとこすってしまうと肌のバリア機能が低下し、
・外界からの刺激に弱くなる
・肌の水分が蒸発しやすくなる
などといった結果につながってしまいます。
「外界からの刺激に弱くなる」「肌の水分が蒸発しやすくなる」という2点が起こることで乾燥が起こり、早期のシワなどのにも繋がることも…
それに加えてバリア層が傷ついているせいで刺激に対して敏感になります。
いわゆる敏感肌と呼ばれる肌質になってしまいます。
なので『肌をごしごしとこすり摩擦をかけ過ぎるのはNG』ということを頭に入れていただいて、
ここからは、肌に優しいクレンジング方法をご紹介します。
肌にできるだけ負担をかけない基本のクレンジングをおさらいして、肌トラブルや肌老化を予防しましょう。
基本のクレンジング方法
- まずは、クレンジングの前に手を洗います。手に雑菌がついたままメイクを落とすと、肌トラブルにつながる可能性があります。石鹸を使って手を洗ってからクレンジングを始めましょう。
- 目元と口元のメイクは、専用のポイントメイクリムーバーを使って落とします。全体のメイクを一度に落とそうとすると、必要以上に肌を摩擦することになり、肌に大きな負担をかけてしまうのです。
- 基本的にクレンジングは乾いた手で行います。乾いた手に適量のクレンジング剤を乗せます。クレンジング剤の量が少ないと、メイクがしっかり落ちなかったり、肌への摩擦が強くなったりする場合があるのです。
- 皮脂分泌の多いTゾーンから洗い、続いて頬をくるくるとマッサージするようにクレンジングします。目の周りや口元は皮膚が薄いので、クレンジングの最後に、一番力が入りにくい薬指を使ってクレンジングしていきましょう。
- 最後は、30~32度程度のぬるま湯で洗い流します。すすぐ際にお湯が熱すぎると、肌に必要な皮脂やうるおいまで流してしまい、肌の乾燥につながってしまいます。
- 最後は、清潔なタオルで肌をこすらないようにして肌の水気をふき取ります。タオルでごしごしと拭いてしまうと、肌に負担がかかってしまうのです。
クレンジングを正しく行うと、その後に行うスキンケアの効果がよりアップします。クレンジングと洗顔で肌の汚れを徹底的に落とすことで、化粧水や美容液の浸透力が高まるのです。
それは汚れが完璧に落とせていない状態だと化粧水や美容液の成分が汚れに阻害されて十分に成分を肌へと届けることができませんが、徹底的に肌の汚れが落とされている状態であれば阻害するものがないためです。
肌に負担とならないように、何度も肌を摩擦したり、強い力でのクレンジングをしたりすることは控えましょう。
「しっかり汚れを落としたい!」という気持ちはわかりますが、何度もご説明した通り、肌への強い摩擦は綺麗な肌から遠ざかってしまいますので肌の負担にならないようにケアしてあげましょう。
おすすめのクレンジングとは?
それでは、最後に肌に優しいおすすめのクレンジング剤をご紹介します。
あなたの肌に合いそうなものを見つけたら、ぜひ試してみてくださいね。
クリニーク 2in1クレンジングミセラージェル&ライトメークアップリムーバー
クリニークのクレンジング剤は、すべての肌質に使える万能なアイテムです。また、これ1つでクレンジングと洗顔の役割を持っているので、夜のスキンケアの時間が短縮できます。
肌に乗せると、ジェルタイプのテクスチャがリキッド状に変化し、分子によって形成された球状の粒子であるミセルが、メイクや皮脂などの汚れを優しく取り除きます。
また、クリニークのクレンジング剤は、キュウリ果実エキスやヒアルロン酸Naなどの肌に優しいうるおい成分が配合されているので、クレンジング後も肌がつっぱることなくしっとりとした感触を保つことができます。
ドクターメディオン モイスチャークレンジングジェル
ドクターメディオンのクレンジング剤は、医学博士監修のもとで開発されているので、皮膚への優しさが徹底的に考えられています。
モイスチャークレンジングジェルは、うるおいを肌内部に閉じ込める3種類のヒアルロン酸、表皮の天然保湿因子(NMF)の糖質と同じような特徴を持つペンタバイティン、肌にもともと存在するセラミドとほとんど同じ構成を持つヒト型セラミドが配合されています。
これらの成分が、肌の保水とバリア機能を維持してくれます。
また、重曹成分が配合されているので、毛穴の奥にある汚れまで浮かせて優しく落としてくれるでしょう。
アテニア スキンクリアクレンズオイルアロマタイプ
アテニアのクレンジング剤はなめらかなオイルタイプなので、肌の上にのせて優しくなでるだけでメイクを簡単に落とすことができます。
しっとりした使い心地で、洗いあがりのツッパリ感がありません。
また、ロックローズオイルをはじめとした高級美容オイルが4種類も配合されています。
さらに、肌のくすみ原因になる肌ステインを優しく洗い流し、透明感のある明るい肌へと導いてくれます。
無印良品 マイルドジェルクレンジング
無印良品のクレンジング剤は、肌に優しい低刺激性で、無鉱物油・弱酸性・無香料・無着色・アルコールフリーを実現しています。柔らかいジェルタイプのテクスチャが肌にすばやく馴染み、メイクをしっかりと落します。
また、メイク落とし力が高いのに、肌への優しさにもこだわっているのが特徴です。お財布に優しいプチプライスなので、手軽に試すことができるのも嬉しいですね。
ベリージェントルシリーズ クレンジングクリーム
ベリージェントルシリーズのクレンジング剤は、乾燥肌や敏感肌の方にも優しい軽めのミルクタイプのテクスチャになっています。
なめらかな感触ですがしっかりとメイクを落とし、洗いあがりの肌がつっぱることなく、もちもちの感触が実感できるでしょう。
デリケートな敏感肌や乾燥肌の方はもちろん、乾燥が気になる秋冬のクレンジングにもおすすめです。
ベリージェントルシリーズは敏感肌向けのコスメラインなので、肌への優しさが徹底的に考えられています。
正しいクレンジングで美肌を手に入れよう!
いかがでしたか?
普段はあまり意識せずに何気なくクレンジングを行っている方が多いと思いますが、クレンジングは、実はスキンケアの工程の中でも大切な役割を持っているのです。
正しいクレンジングをすることで、その後のケアが大きく左右されます。
また、クレンジングは一歩間違えると肌へ大きな負担となり、肌老化を早めてしまう場合があるので注意が必要です。
肌にできるだけ負担をかけずにクレンジングを行うには、自分の肌タイプに合ったクレンジング剤を選び、正しい方法でクレンジングを行うことが大切なのです。
ぜひ、肌に優しいクレンジングを続けて、健やかでキメの細かい美肌を手に入れてくださいね!