みなさんはすっぽんとカメの違いについてご存じでしょうか?
すっぽんはカメ目スッポン科の生物で、性質は荒く食いつくことがある生き物で、肉食性で昆虫や小魚などを食べます。
生息しているのは日本南部ですが、食用として浜名湖などでも養殖されており原亜種であるシナスッポンは台湾や中国に生息していると言われています。
カルシウムやビタミン、リノール酸などを豊富に含み、中でもリノール酸についてはコレステロール値や血圧を下げるため心筋梗塞や動脈硬化、心臓病などを防止します。
ただ、あまり摂りすぎるとよくないため、暴食しないようにしましょう。
ここでは、そんなすっぽんとカメとの違いや豆知識などをご紹介してみましょう。
目次
すっぽんの歴史
すっぽんは古来より中国や日本で食べられている食材で、特に中国では2000年も前の薬物書に書かれているほどです。
また、中国では宮廷料理としても親しまれてきており、周の時代には専門の役職まであったほどです。
日本では縄文時代の貝塚から骨が出土されているようですね。
日本において食用としてすっぽんが一般的に利用されるようになったのは江戸時代の中頃からと言われており、スープやお鍋にして食べられたそうです。
養殖され始めたのは明治時代からのことで、精力増強の食べ物として使われるようになりました。
今では食用だけでなく漢方薬や健康食品として広く活用されている食材です。
すっぽんとカメとの違い
みなさんはウミガメのスープをご存じでしょうか?
このウミガメのスープはとてもおいしいものとして知られています。
宮廷料理に使っていた国もあり、日本では小笠原諸島周辺や沖縄などで珍重されていました。
最近では保護されているため、実際に食べられる地域としてはミクロネシアなどの一部だけとなっています。
ウミガメと同じくおいしい食材として食べられているカメにすっぽんがあります。
ただ、すっぽんとカメには大きな違いがあるようですね。
①甲羅
カメの甲羅は背骨が変化して形成されたまさに甲羅ですが、敵から身を守るため発達したもので、寝ている間も殻に入り身を守ることができます。
さらに、乾燥から身を守る役目もあって、もともと骨だっただけありとても頑丈です。
それと比べ、すっぽんの子らは皮膚が変化しできたものなので、指で押すとへこむほど柔らかいものとして知られています。
なお、すっぽんは肉の他内蔵や皮まで食べることができます。
皮膚についてはゼラチン質で加熱するとねっとりした触感が独特です。
②生活パターン
カメはほとんど日中活動します。
体温を上げて皮膚病を防ぎ、ビタミンDを生成するため日光浴をする習性があります。
また、ウミガメは水の中を泳ぐために最適な体型ですが、他のカメの場合陸上を歩くための体型をしているのが特徴的です。
いっぽうで、すっぽんは日光浴はせず暗くなってから活動を始めるのが特徴です。
つまり、夜行性ということですね。
両者には共通点もり、それは噛む力が強力なことです。
雷が鳴っても離さないと言われるほど噛むととても怖い印象のすっぽん。
これはカメ全体に言えることで、大型のカメなら子どもの指程度は噛みちぎってしまうので動物園や水族館などのふれあいコーナーなどではカメの顔の前に子どもが手を出さないよう注意が必要です。
もし、不注意によって噛まれてしまった場合、振り回すとさらにかみつきますので水の中に静かに入れるといいでしょう。
すっぽんによく似た「スッポンモドキ」とは
スッポンモドキとは
では、そもそもスッポンモドキとはどういった生き物なのでしょうか?
スッポンモドキとは学名をcarettochelys insuculptaと言い、主にインドネシアやパプアニューギニア、オーストラリアなどに棲息している生き物です。
体長は50センチほどで、雑食性で葉や果実、昆虫や水草、魚・・などを食べて生活しています。
頭部や肢、尾の色は背は緑褐色や灰色で、腹面は淡黄色や白色をしています。
ウミガメのような肢を動かして湖や河川などを泳いでおり、完全に水中で生活しています。
頭部や甲羅を見るとすっぽんをイメージさせますが、本種は一科属一種を形成していて、すっぽんとは厳密に言うと違う生き物です。
腹甲や背甲には甲板はなく、盛り上がった背甲の表面にはしわがあるのが特徴です。
乾季が終わる頃に泥や砂の中に卵を2回に分けて産みます。
卵の中の赤ちゃんはすぐに孵化することなく、雨季まで冬眠するそうです。
卵の形は球形で、固く白い殻で覆われています。
子どもの背甲は扁平をしており、上から見ると円形です。
オスは尾が長くなっており、オスはメスと比べると相対的に背甲が幅広くなっているのが特徴で、甲高は高くなっています。
日本でもこの亀とすっぽんの特徴を合わせもったスッポンモドキが人気となっており、たくさんのスッポンモドキがペット用に輸入されていましたが、2005年に流通量が激減し価格も非常に高騰したそうです。
このスッポンモドキを飼育するためにはかなりの費用と手間がかかると言われています。
この50センチもの大きさの生き物がどの程度大きいか想像した上で、これが泳ぎ回るためにはどの程度の水槽が必要かをイメージするとその飼育の難しさが分かるはずです。
また、体が大きい分水槽の中の水を汚すのも魚などとは比べものにならないので、水槽の水を頻繁に換える必要もあります。
寿命についても20年程度と長く協調性が低くて気が荒いので、多頭飼いには向いていない動物です。
このような理由により、スッポンモドキは入手するのは簡単でも飼育するのが難しい動物だと言えるでしょう。
実際にペットショップなどで大量に販売されていたスッポンモドキの子どもは数年の間に死んだり、飼い主により手放されてしまったと言われています。
スッポンモドキの数が激減していると書きましたが、その理由に環境悪化が挙げられます。
産卵に必要となる川岸が人間によって壊されたり、近くに鉱山や工場ができたりして水質汚染を引き起こし、スッポンモドキが安心して棲める自然環境が失われつつあります。
スッポンモドキは飼えるの?
爬虫類好きの方の間ではスッポンモドキは飼育対象にはならないとか、スッポンモドキは不遇なカメだ・・などと言われています。
以前大量にこのスッポンモドキの子どもがペットショップで安く売られていた頃は現地で野生の個体が産卵したのを人間が彫り出し、さらに人工孵化させたものでした。
さらに、生息環境が悪化したことで野生の個体が激減してきました。
そしてスッポンモドキは飼育には適さない、という認識が広がり流通量が減ってきたのですが、いまだにネットを見ると簡単に飼うことを始めたとか、死なせてしまったなどといった情報が見受けられます。
スッポンモドキとすっぽんの違いとは
さて次に、スッポンモドキとすっぽんの違いについてご説明してみましょう。
スッポンモドキもすっぽんも爬虫類の一種ではありますが、似ても似つかないところがあります。
それはすっぽんは一見すると亀に似ているのですが、亀とは違いスッポンモドキは亀だという点でしょう。
ですからすっぽんは甲羅が柔らかいですが、スッポンモドキは甲羅が硬い生き物です。
そもそも、すっぽんは岩の陰などに隠れて生活するため甲羅が柔らかいのですが、スッポンモドキは亀であり、身を守るために甲羅が硬くなっているわけですね。
つまり、どちらも理にかなった体型をしているということです。
また、すっぽんは食用として使われているに対し、スッポンモドキは食べようと思えば食べられますが、はるかにすっぽんの方が栄養価も高くなっていて味もおいしいという点が違いますね。
なおすっぽんは昔から中国や日本で食べられていた食材で、すっぽん鍋やすっぽん雑炊などで今も食べられています。
栄養素にはたんぱく質や脂質が少なくあっさりとしています。
両方に共通する点と言えば、絶滅危惧種の生き物という点でしょう。
先日国際自然保護連合の日本委員会により絶滅の危険がある動植物を記載した最新版を発表しましたが、はじめてすっぽんがそこに記載されたそうです。
スッポンモドキは以前から絶滅危惧種でしたが、亀とすっぽんを合わせたような姿という理由からか、一時期はペットとして飼育されていたり、生息地であるニューギニアやオーストラリアなどでは食べられていたそうですね。
そのうち、数が激減し養殖されてもいなかったので絶滅危惧種となったのです。
養殖についてはすっぽんはスッポンモドキと比べて進んでいるため、絶滅危惧種ではあっても食用として食べられるという点でも違っています。
栄養価が高いスッポン
昔から滋養強壮食品として有名なすっぽんですが、あの体の中にとても豊富な栄養が含まれています。
1食分を100グラムと仮定すると、カロリーは197キロカロリーほどです。
味はこってりとしていますが、カロリーは意外と低いということですね。
タンパク質は100グラム当たり16.4グラムです。
成人男性の場合1日当たり60グラムのたんぱく質が必要なので、すっぽん1食分で1日の3分の1がまかなえそうですね。
なお、脂質は100グラム当たり13.4グラム含まれています。
脂質と聞くとダイエットの大敵、メタボの原因・・というイメージですが、われわれの健康を維持するのに必要不可欠なものです。
すっぽんの脂質は不飽和脂肪酸が主なもので、これは脂肪酸の種類のひとつで、不飽和炭素結合を持った脂肪酸として知られています。
この不飽和脂肪酸の健康上の効果として、悪玉コレステロールを下げてくれ、善玉コレステロールの働きを向上させてくれます。
さらに、血管の状態をよくしてくれるので、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化などを防止してくれます。
各種ミネラルやビタミン類も豊富に含まれていて、特にビタミンで言うとA、D、B1、B2、B12ナイアシンが豊富で、ミネラルでは亜鉛やリン、鉄分などが豊富だそうです。
特に注目したいのが亜鉛でしょう。
100グラム当たり1.6ミリグラムも含まれていて、われわれ現代人が慢性的に不足しがちな栄養素として有名です。
この亜鉛が不足してしまうと貧血や味覚異常、記憶力低下や視力低下・・などといった症状の他、ストレスを感じやすくなりうつ病などにかかりやすくなるとも言われています。
さらに、亜鉛は男性の精力や女性の生理などとも深い関係がある栄養素で、不足すると不妊症の原因になるとも言われています。
すっぽん料理は一般的に高級ですが、すっぽんの成分が入ったサプリなどを摂ることで、こういった効果を得ることができるでしょう。
また、サプリなら経済的にも負担にならないためおすすめです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
すっぽんはビタミンやアミノ酸、ミネラルなど人間の体に必要な成分が豊富だということがお分かりいただけましたか?
特に滋養強壮や造血作用に優れているので、基本的な体の部分に効果的ですね。
ですが、日常的に食べられる食材ではないですし、日ごろの食生活に取り入れるとなると経済的に負担がかかります。
ぜひ、中国や日本で昔から健康のための効果が認められてきた食材なので、気軽に摂れるサプリを利用してみるといいでしょう。
すっぽんを摂ることで皆さんがより健康的な生活を送れることを願っています!