みなさんはすっぽん料理を食べたことがありますか?
滋養強壮に効果がある食材ですが、ほとんどの方がすっぽん料理を食べたことがないと答えるかもしれませんね。
すっぽんは栄養価が高く様々な効能がある食べ物だと言われていますが、生体としては水の中で生活し、陸上にはほとんど出てこない動物です。
では、昔からスタミナ食材として食べられてきたこのすっぽんにはどのくらいの種類があり、どの種類がもっとも栄養価が高いのでしょうか?
また、すっぽんのエンペラは栄養価が高い部分だというのは本当なのでしょうか?
ここではそんなすっぽんに含まれる栄養素や効能、特徴についてご紹介したいと思います。
ぜひ、今後のご参考になさってみてくださいね!
目次
すっぽんとは?
すっぽんとはスッポン科キョクトウスッポン属で、体長は30センチ程度、甲羅の幅は12センチ程度、長さは15センチ程度で、淡水性の動物でカメと一緒の種類と言われています。
河川や湖、沼、砂泥質のところを好んで生息しています。
爬虫類なので卵を産み、夏場に1~3センチ程度の卵を100~200個程度産卵します。
すっぽんにはうろこがなく、柔らかい甲羅があり、甲羅の縁部分にはエンペラと言われるコラーゲン成分があります。
なお、すっぽんの名前の由来は池からシュッポン!と出てくるところからつけられたと言われています。
さらに、すっぽんの鳴き声からきているのでは?とも言われており、水の中から出没(シュツボツ)するので、それがなまってすっぽんになったという説もあります。
関西ではすっぽんの甲羅が丸いところからまるとも言われています。
すっぽんの歴史
中国では3000年も前の周の時代に王様へすっぽんが献上されていた・・という記録が残されています。
すっぽんは不老長寿や滋養強壮、強精の効能があり、中医学や漢方の世界では大変珍重されていたようです。
なんと、すっぽんをつかさどる役職まであったとも言われているほどです。
日本ではすっぽんは縄文時代の貝塚から骨が見つかっています。
すっぽんに関しての記述がある初めての文献は続日本紀というものだそうですね。
この文献によると、近江の国から白鼈が献上されたという記録があり、白鼈とは白いすっぽんのことで、琵琶湖周辺で獲れた珍しい白い鼈が文武天皇に献上されたのではないかと言われています。
このすっぽんが食べられるものだったのかどうかは不明です。
すっぽんの種類とは?
さて、このすっぽんには多くの種類がありそれらには生息地から名付けられた名前があります。
たとえば、ヒラタスッポン、キョクトウスッポン、マルスッポン、ガンジススッポン、クロスッポン、フロリダスッポン、オーブリーフタスッポン、クジャクスッポン、リーススッポン、インドシナオオスッポン、インドハコスッポン、トゲスッポン、スベスッポン、ビブロンマルスッポン、タイコガシラスッポン、メソポタミアハナスッポン、セネガルフタスッポン、インドコガシラスッポン、ミヤビスッポン、ナイルスッポン、ビルマハコスッポン・・など多くの種類があります。
中でももっとも栄養価が高いと言われているのがキョクトウスッポンなどの種類です。
すっぽんの生息地とは?
では、すっぽんはどこに多く生息しているのでしょうか?
上でご紹介したように、湖や沼、河川などに多くすんでいます。
ただ、日本では現在天然のすっぽんはほとんど生息していないと言われています。
このように、天然はごくわずかなのですが本州南部や四国や九州などにいるようですね。
このすっぽんを料理として利用するのは日本以外にもアメリカなどがあります。
すっぽん料理専門店がアメリカでも増えており、栄養価が高い食材として現在世界中から注目を浴びているそうですよ。
すっぽんの栄養価とは
すっぽんは昔から形が変わらず寿命も100年と大変長いです。
地球環境がここまで変化してもすっぽんは変わりなく100年以上も生きているのですからすごいですよね?
このすっぽんを食べることにより健康や美容に様々な効能があると言われていますが、天然のすっぽんは非常に希少価値が高いので料理屋さんで食べるのは難しくほとんどが養殖物だそうです。
養殖されているものでも価格は高く、そう頻繁に食べられる食材ではありません。
ですが、もしすっぽん料理を食べる機会がありましたらぜひすっぽんのコラーゲンなどの栄養素をしっかり摂ってみてくださいね。
食べた後きっとお肌がぷるんとするはずですよ。
栄養価が高いのは内蔵
すっぽんはどの部位も大変栄養価が高いと言われていますが、もっとも栄養があるのは内蔵です。
特に膵臓はさまざまな不飽和脂肪酸やビタミンA、リノール酸などが含まれており、またおいしい部位として有名です。
血圧やコレステロールを下げて脳卒中や動脈硬化を防ぎ、メタボ予防にも効果的です。
さらに、肝の部分には鉄分が多く貧血を防止できます。
ただ、すっぽんは傷みやすいため自分で内臓を調理するのは難しいですが、専門店だとおいしく料理してもらえます。
このすっぽんにはカルシウムが豊富に含まれていますが、特に軟骨や甲羅には豊富に含まれているようです。
エンペラにはコラーゲンがたっぷり
すっぽんを食べると次の日にお肌がぷるんとなりますが、それはすっぽんにはコラーゲンが豊富だからです。
また、コラーゲンの量が多い他に、熱に強く吸収性が高いため他の動物性コラーゲンや海洋性コラーゲンと比べると吸収率が高い特徴があります。
コラーゲンという成分は体内へ取り込まれるとアミノ酸に分解され、再度コラーゲンが生成されます。
このコラーゲンが豊富なのがすっぽんのエンペラ部分です。
これはすっぽん料理や鍋、スープから摂取することができます。
ですが、甲羅や内蔵などの料理で摂るのが難しい部分はサプリなどを利用して摂取することがおすすめです。
すっぽんのオスとメスでも違いはあるの?
スッポンの種類では違いがある事が分かりましたが、オスとメスでも栄養素に違いがあります。
すっぽんにはオスとメスがいて、多くのほかの動物と同じように身体の大きさやつくりが違っています。
オスのすっぽんは甲羅が楕円形で、メスよりも一回り大きくてしっぽが長いという特徴があるのに対し、メスのすっぽんの甲羅は円形で小さくしっぽも短くなっています。
メスのすっぽんは上から見てしっぽが甲羅に隠れて見えないほど短いため、上から見るとオスとメスの違いは一目瞭然で素人でも簡単に見分けられます。
また、当然ですが、メスの場合は卵を産むための卵巣もありますし、卵を身ごもっていることもあります。そんな卵を育てなければならないメスとオスでは身体のお肉も血液の量も違ってきます。
これだけすっぽんのオスとメスで身体が違うのなら、当然持っている栄養素も変わってきますよね。今回はそんな違いについて詳しく調べてみましょう。
すっぽんのオスとメスの栄養の違い
すっぽんのオスとメスそれぞれの栄養素の違いについて、残念ながら詳しく比較したデータはありません。
しかし、その身体の違いで血液やお肉、卵といった特徴的な栄養の違いが分かります。
すっぽんの血は、オスの方が多い!?
すっぽん料理と聞くと、「すっぽんの生き血」という料理を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?
すっぽんの血を生のままアルコール処理して日本酒や焼酎、ワインやジュースなどで割って飲む料理で、料亭のコース料理などで提供されることが多いです。
そんな血液は全身に栄養を届けるために、ビタミンやミネラル、アミノ酸等がバランスよく配合されている完全栄養食で、すっぽんの生き血を飲むことで精力の増強効果や滋養強壮効果が期待できます。
また、鉄分も多いため造血効果もあり、貧血で悩む女性におすすめの食材となっています。
その料理に欠かせないのが「すっぽんの血液」。実は、すっぽんの血液の量を量ってみると、メスよりもオスの方が多いということがわかっています。
これは、身体の大きさがオスの方が大きいためだというのはもちろんありますが、メスは卵に栄養をもっていかれるためだと考えられています。
しかし、「すっぽんの生き血」に関しては、オスメスを区別していないことがほとんどです。
血液量はオスの方が多いということもありますので、もしかするとオスのすっぽんの血の割合の方が多いかもしれませんね。
すっぽんのオスとメスのお肉の違い
すっぽんのオスとメスのお肉は、味が全然違います。
すっぽんのメスは卵を育てなければなりませんので、身体に脂肪が多くなりやすいのです。
そのため、すっぽんのメスの味は脂がのっていてこってりと濃厚な味がします。
一方、すっぽんのオスのお肉はメスと比べてあっさりとした味。
口の中でスッと脂が溶けてしまいます。
すっぽんのお肉自体には、オスとメスで脂肪分以外に大きく栄養価が変わるという報告はありません。こういった味の違いで選んでみるのもいいですね。
なお、脂肪分に関してはすっぽんもほかの動物と同様に暑い時期には減り、寒い時期には増えるという傾向にあります。
お肉の味を楽しむのならオスメス以外にも、より濃厚な味を楽しみたいという場合には冬眠の前、さっぱりとしたお肉が食べたいという場合には夏場を狙うといったように時期を考えると、すっぽんをより一層楽しむことができますよ。
すっぽんの卵の栄養は?
どの動物の卵も、完全栄養食として知られています。
それは、これから生まれてくる赤ちゃんの栄養がぐっと濃縮されているため。タンパク質と一緒に各種ビタミンやミネラルをバランスよく摂取することができるのです。
すっぽんの身体は20種類ものアミノ酸を含む良質なタンパク質で構成されていますので、その栄養がギュッと詰まった卵にはより高い栄養価が期待できます。
また、すっぽんの卵には血中のコレステロールを減らしたり疲労を回復させたり集中力を高めたりといった効果が期待されるDHAやEPAも豊富に含まれています。さらに、すっぽんの卵は鶏卵よりもカロリーが低いとためダイエット中の方でも安心です。
そんなすっぽんのメスならではの栄養とも言えるすっぽんの卵は、殻がついた固い状態で産み落とされます。
その卵を食べる以外にも、すっぽんの卵を食べる方法があります。それが胎卵です。
胎卵はメスのすっぽんを捌くときに卵巣から出てくるもので、小粒でプチプチとした食感がイクラの卵のようでかなり美味です。
すっぽんの卵は、すっぽんの老舗料亭『料亭やまさ』からお取り寄せすることもできます。
産み落とされてすぐのものを焼酎に漬けた「すっぽん卵の焼酎漬け」は食べるとお腹からポカポカと暖かくなり、滋養強壮に効果的です。
また、「胎卵の塩漬け」も酒の肴やご飯のお供としても人気です。
すっぽんのオスとメス、どちらを食べるべき?
このように、すっぽんのオスとメスでは持っている栄養も味も違いますが、どちらを食べるのがいいのでしょうか?
滋養強壮効果に期待しているという場合は、オスでもメスでも各種ビタミンやミネラル類、良質のタンパク質を含んでいますので、どちらでも好きな方を食べるといいでしょう。
お肉の味は好みによりますが、すっぽんのメスのお肉のトロリとした味は料亭でも重宝しているところが多いのだそうです。
お刺身やお鍋でぜひとも食べてみたいですね。
一方、すっぽんのダイエット効果に期待しているという場合には、さっぱりした低脂肪のお肉が食べられるオスのお肉がおすすめです。
また、すっぽんのメスが持っている胎卵や産み落とされた卵も、低カロリーな上にすっぽんダイエットに効果的な各種アミノ酸や血液サラサラ効果があるDHAやEPAが豊富に含まれています。
ダイエット中にはぜひとも食べたい食材ですね。
また、こういったさっぱりした食材は、夏バテで食欲があまりないという時にも効果的です。夏バテを解消する栄養も豊富です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
すっぽんの種類やオスとメスの栄養価などについてご紹介してみました。
すっぽんは驚くほど栄養がある食材ということが分かっていただけましたか?
そう気軽に食べられるものではありませんが、もしすっぽんを食べる機会がありましたら、ぜひそのおいしさを楽しんでみてくださいね。
また、その効果を十分に体験してみてください!
みなさんに美味しくすっぽんを食べていただけることを願っています。