「毎日きちんとご飯を食べているし、栄養失調は自分には関係ない」と思っている人はいませんか?
でも、現代の日本人には意外と栄養失調になってしまっている人は多いのです。
そんな栄養失調は『新型栄養失調』と呼ばれていて、深刻な病気を招いてしまうこともあります。そうなってしまう前に現れる様々なサインを見逃さないようにするのが大事になります。今回は、そんな栄養失調のサインについてまとめてみました。
目次
現代人に意外と多い!?新型栄養失調とは
現代の日本では、たくさんの食べ物が溢れていて一見”栄養失調”とは無縁そうです。
でも、現代人は、脂質や糖質は摂れていてもビタミンやミネラルなどは不足しがちなものも多く、栄養バランスは乱れがちです。そういった食事の栄養バランスの乱れからカロリーは足りているのに「実は栄養が足りていなかった」ということも少なくありません。
そういった栄養失調の形は”新型栄養失調”と呼ばれていて、美容面でも健康面でも様々な不調をもたらします。そんな栄養失調状態では、深刻な病気を引き起こしてしまうことも…。
そうならないためには早めに栄養失調状態にあることに気付くことが大事になります。ここで、どのような栄養が不足しやすいのかや栄養失調のサインをチェックしておきましょう!
栄養失調になりやすい栄養は?
栄養失調になりやすい栄養はどのようなものがあるのでしょうか?日常的に現代人が不足しやすい栄養は次のとおりです。
- ミネラル:鉄、亜鉛、カルシウムやマグネシウム、カリウム
- ビタミン:ビタミンB群、ビタミンC、ナイアシン
- 食物繊維
なぜ栄養失調になるのか
ファストフードやインスタント食品、コンビニ食で済ますことが多い人や、同じものばかり食べるなど偏った食生活。炭水化物ばかり食べていたり、野菜中心の生活もそうなります。
ダイエット中には特にこれらの栄養が不足しがちな上、カロリー制限などでタンパク質やビタミンA、脂質などが不足しやすくなります。
栄養失調状態では血行不良や代謝がさがってしまうため、ダイエットの効率は下がってしまいます。また、お肌や健康にも悪影響がありますので特に気をつけるようにしましょう。
栄養不足のサインをチェック!
栄養不足になっていないか、見た目や体調の変化から簡単にチェックする方法があります。それぞれの栄養失調のサインをまとめましたので、気になる症状がいくつか当てはまる場合はその栄養素を注意して摂るようにしましょう。
髪の毛の異常
- 髪の潤いやツヤがない:ビタミンA、タンパク質
- フケ:ビタミンA、亜鉛
- 抜け毛が多い:ビタミンA、亜鉛、銅、ビタミンB群
- 枝毛、切れ毛:脂質(必須脂肪酸)、タンパク質
- 白髪:銅
お肌や顔の異常
- 乾燥肌・肌に艶がない:ビタミンA、ナイアシン、ビタミンC、タンパク質
- ニキビ・吹き出物・黒ずみ:ビタミンA、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンC
- 顔が青白い:ビタミンB1、葉酸、鉄
- 顔にしびれや痛みがある:ビタミンB1
- 顔の小じわ:ビタミンB6、タンパク質
- 肌荒れ:ビタミンA、ビタミンB1
- 小鼻が脂っぽい、黒ずみ:ビタミンB2
- 眉毛が薄くなった、少ない:ビタミンB2
- シミ:ビタミンC、葉酸
- むくみ:タンパク質、鉄、マグネシウム、カリウム
鼻や耳、口の異常
- 鼻血や歯茎からの出血:ビタミンC
- 耳鳴り:鉄、マグネシウム
- 音や臭いに敏感になる:ビタミンB2
- 歯茎の腫れや痛み:ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC
- 歯茎からの出血:ビタミンC
- 歯のぐらつき、抜ける:ビタミンC
- 唇の渇き、荒れ:ビタミンA、ビタミンB群、ナイアシン
- 口内炎・口角炎・舌炎:ビタミンB群、ナイアシン
- 味覚や嗅覚が悪くなる:亜鉛
目の異常
- 鳥目、目の渇き、目やにが多い:ビタミンA
- 疲れ目:ビタミンA、ビタミンB2
- 目の充血:ビタミンA、ビタミンB2
- 視力の低下:ビタミンB群
- 瞼のけいれん:マグネシウム
爪の異常
- 爪が割れる:ビタミンA、カルシウム
- スプーン爪、爪が反る:鉄、マグネシウム
- 爪に白い斑点ができる:亜鉛
- 爪の乾燥や黒ずみ:ビタミンB12
- ささくれ、二枚爪:タンパク質、ビタミンC
身体の不調
- 食欲不振:亜鉛、マグネシウム、ビタミンC
- 性欲減退:亜鉛
- 傷や虫刺されの治りが悪い:亜鉛、ビタミンC
- 体調不良を起こしやすい:亜鉛、タンパク質、ビタミンC
- 頭痛:鉄、マグネシウム
- 立ちくらみやめまい:鉄、マグネシウム、ビタミンC
- 肩や首、腰などの全身のコリ:鉄、マグネシウム、カルシウム、ビタミンC
- 筋肉痛、関節痛:鉄、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、ビタミンC
- むくみ:鉄、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB1、ビタミンC
- 冷え性:鉄、マグネシウム、カルシウム、ビタミンC
- 下腹ぽっこり:鉄、食物繊維
- 下痢や便秘:マグネシウム、ナイアシン
- 腹痛:マグネシウム、ナイアシン
- ぶつけた覚えがないのにアザができる:鉄、マグネシウム
- 動悸息切れ、階段を上るのがつらいなど、運動に支障がある:鉄、マグネシウム、ビタミンB1
- 不整脈:マグネシウム、カルシウム
- 不眠:マグネシウム、ナイアシン
- 筋肉のけいれん:マグネシウム
- 酷い月経痛や無月経のような月経異常:マグネシウム
- 手足がしびれやすい: カルシウム、ビタミンB1
- 足や首がつりやすい(こむらがえり):カルシウム
こういった症状以外にも、ビタミンやミネラル、タンパク質などが栄養失調状態では疲れやすくなったりイライラしたり鬱っぽい気分になることも多くなります。また、記憶力や学習能力の低下も指摘されています。
ダイエット中によく休んでいるのに疲れがとれなかったり好きだったことに興味が持てなくなったり物忘れが増えたりということも栄養失調のサインです。見逃さないようにしたいですね。
栄養素がどういう働きをしているのか
「疲れやすい」とか「寝ても疲れがとれない」「なんだかイライラする」というのは、多くの人が悩まされている症状ですよね。
たっぷり寝たりリフレッシュしたりしたはずなのに解消されないという時には、もしかしたら現代人に多いタイプの栄養失調になってしまっている可能性があります。現代人の栄養失調は、脂肪や糖は足りていても特定のミネラルやビタミンが足りていないということが多いです。
「自分は大丈夫」と思っていても、実は栄養失調状態だったという人も少なくないのです。
そんな栄養が足りていない状態では、身体に様々な栄養失調のサインが現れます。病気など深刻な状態にならないためにも早めにそういったサインに気づけるようにしたいですね。
ビタミンA
目や皮膚、のどや鼻などの粘膜を健康に保つ。
暗いところでも目が慣れてくるようになる機能もビタミンAには含まれます。
ビタミンB1
皮膚や粘膜の健康維持や糖質の分解、エネルギー生産を助ける。
ビタミンB2
皮膚や粘膜の健康維持や糖質、脂質、たんぱく質などをエネルギーに変える。
ビタミンB群が不足すると疲れがやすくなり、エネルギーに変わらなかったものが脂肪になり肥満の原因になります。
ビタミンC
骨や腱を結合するたんぱく質であるコラーゲンをつくる。
抗酸化作用があり身体を菌から守ってくれ、動脈硬化予防にも期待されています。更にストレスにも効果があります。
葉酸
ビタミンB群の一種でたんぱく質や核酸の合成働き、細胞や赤血球の生産を助ける。
この働きは胎児の正常な発育に重要な役割をします。葉酸は妊娠中や授乳中の母体には必要不可欠なものです。
たんぱく質
筋肉や臓器、血液、酵素やホルモンなどをつくり、それぞれの役割を果たす。体力が低下したらまずたんぱく質を摂取しましょう。
カルシウム
全体の99%が骨と歯になります。残りの1%は血液、筋肉、神経などにあたります。
出血を止める働きや、神経の働き、筋肉の運動などの重要な役割をしています。
鉄
赤血球をつくるのに必要な栄養素。肺で受け取った酸素を体中に運び、不要な二酸化炭素を肺で放出する重要な働きを赤血球はしています。
不足すると赤血球が作れなくなり貧血になります。女性は月経などにより鉄が失われるので男性よりもたくさん必要です。
マグネシウム
50~60%は骨になり残りは神経や脳筋肉に存在する。ホルモンの分泌や体温調節、筋肉の収縮、神経機能などに関わります。
食事やサプリメントで栄養失調を予防!
必要な栄養素が含まれる食材
必要な栄養素が含まれる食材
ビタミンA
レバー、すっぽん、マーガリン、チーズ、うなぎ、卵、緑黄色野菜
ビタミンB1
レバー、すっぽん、豚肉、豆類、玄米
ビタミンB2
すっぽん、鮭、豚肉、卵、乳製品、アーモンド
ビタミンC
果物、パセリ、レモンなどの柑橘類
葉酸
レバー、イチゴ、モロヘイヤ、ほうれん草、春菊
たんぱく質
乳製品、肉、魚、卵、大豆製品、すっぽん
カルシウム
乳製品、大豆製品、小魚、海藻類、緑黄色野菜、すっぽん
鉄
レバー、魚、貝、すっぽん
マグネシウム
大豆製品、海藻類、牡蠣、ごま、野菜
ここでご紹介した栄養素を多く含む食材(鉄の場合はレバー、ビタミンB群はすっぽんなど)を使った食事を摂るのもおすすめですが、それではカロリーを摂り過ぎてしまって太ってしまう可能性もあります。また、日常の食事の栄養バランスを正すのは意外と難しいということもあります。
そんな時にはサプリメントを利用するのもよいでしょう。毎日手軽に摂取できますし量が分かりやすいので過剰症などにも注意しやすくなりますよ。