人間の体のアミノ酸の種類は全てを合わせても20種類しかありませんが、大きく分けて必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2つでできています。
必須アミノ酸も非必須アミノ酸もそれぞれ体にとって必要なものだと言えますが、効率良く摂るためにはどのような食品を食べれば良いのでしょうか。
それぞれのアミノ酸の働きや必須アミノ酸と非必須アミノ酸を効率良く摂れる食品、なぜ人間の体にはアミノ酸が欠かせないのかについてご説明します。
目次
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違い
アミノ酸には必須アミノ酸と非必須アミノ酸と呼ばれるものがありますが、必須アミノ酸が体にとって必要で非必須アミノ酸は不要だということではありません。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いはどちらも体にとっては必要なものですが、非必須アミノ酸が体内でも合成できるのに対して、必須アミノ酸は体内で作ることができないので摂るためには食品に頼らなければいけないといった特徴があります。
このような特徴で誤解してはいけないのは、非必須アミノ酸は体内で合成できるから食品で摂る必要はないものなのではないかという点です。
必須アミノ酸はもちろん、非必須アミノ酸にもたくさんの種類や働きがあるので積極的に食品から摂取して補っていく必要があります。健康な体を作るためにはどちらのアミノ酸も重視して、意識して摂るべきだと言えます。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の種類
必須アミノ酸と非必須アミノ酸は両方を併せると20種類もの種類があります。
必須アミノ酸の種類はバリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン(リシン)、フェニルアラニン、トリプトファン、スレオニン(トレオニン)、ヒスチジンの9種類です。
非必須アミノ酸の種類はアルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸の11種類です。
アミノ酸は細かく見ていくと成分ごとにその役割や効能が違っていますが、どのアミノ酸も病気の予防や成長促進、体を正常な状態に保つための役割や美容効果があります。
バランスの悪い食生活でどれかが欠けると体の不調を招くことにもなりかねないので、できるだけバランス良く必須アミノ酸と非必須アミノ酸を食品から摂っていくことが重要です。
必須アミノ酸が含まれる食品と効能
必須アミノ酸は体内で生成することができないので必ず食品から摂るべきもので、そのためにもどんな食品に必須アミノ酸が多く含まれているのかを知っておくことはとても大切です。
必須アミノ酸が多く含まれているとされているのは肉や魚、卵、豆などです。
実は必須アミノ酸は加熱することによって吸収しにくくなってしまうという特徴があるので、その食品にもよりますが注意をしなければいけないこともあります。
効率良く必須アミノ酸を摂ることを重視していても加熱することが必須な食材もあるので、その食材に合わせて臨機応変な摂り方をしていくべきです。
必須アミノ酸の効能はそれぞれの種類によって異なりますが、主に筋力を高めたり精神の安定、成長促進、組織の修復などの効能があります。もちろん種類ごとに摂るべき食品も異なり、レバーや牛肉、鶏肉、チーズ、牛肉、大豆製品、魚介類などが挙げられます。
それぞれの必須アミノ酸ごとに効能や摂った方が良い食品は違っていますが、実は必須アミノ酸は一般的に想像されるよりも偏りなく摂取することができ、意識をしなくても不足をすることは稀です。
万が一不足してしまうと免疫力の低下や肌荒れ、ホルモンバランスの乱れ、うつ病の原因となってしまうことがあります。逆に、過剰摂取し過ぎるとストレスが溜まりやすくなったり、腎機能に悪い影響を与えることもあります。
必須アミノ酸を丁度良く摂る時のコツはダイエットで食事制限をして極端に栄養バランスが悪くなることを避けることと、きちんと摂れていないことを疑って必要以上に必須アミノ酸を摂らないように気を付けることです。
非必須アミノ酸が含まれる食品と効能
非必須アミノ酸は体内で合成することができるアミノ酸なので、必須アミノ酸よりは絶対に食品が摂らなければいけないものだという感覚があまりないかもしれません。
それでも食品から摂った方が良いとされているのは、体内からでも生成することはできても食品からも摂ると更に効果が高まりやすいからです。
非必須アミノ酸の効能には免疫力を高めたり筋肉を強化してくれるなど必須アミノ酸と同じような効能もあります。他にも、メラニン色素を抑えたり代謝を促進してくれるなどお肌の老化を防ぐといった美容効果、そして疲労回復にも効果的なものが含まれるといった特徴を持ちます。
非必須アミノ酸も肉や魚介類、卵、豆などに多く含まれています。その他だとミカンなどの果物類、玄米、トウモロコシやもやし、アスパラガスなどの野菜にも非必須アミノ酸が含まれています。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸のどちらも含まれる食品は摂ることでその両方を補うことができますし、片方にしか含まれていない食品も意識して摂るようにしていけば補うことができるでしょう。
美容効果はどちらかと言えば非必須アミノ酸に多いのである程度自分で生成することもできるのですがそれだけでは足りないですし、実際に生活習慣や加齢によってターンオーバーを上手く排出できなくなってしまうのでやはり食生活が重要となります。
まとめ
必須アミノ酸も非必須アミノ酸も普通に食事をしていて足りなくなることはあまりないですが、バランスの良い食生活を送っていなければその効果を活かすことは難しくなってしまうかもしれません。
たくさんの種類があるのでその全部が足りなくならないようにしなければと思うかもしれませんが、アミノ酸の種類同士で同じ食品に含まれていることも多いので、それほど意識しなくても自然と摂れていることがほとんどです。
もし、足りないものがある時にはサプリを使って補っていくのも一つの方法です。
ただし、過剰摂取してしまうと悪い効果を及ぼしかねないので、過剰摂取をすることには注意をしながら食品を中心に摂っていき、サプリは本当に食品だけでは足りていないかをよく考えてから使うようにしてください。
