ビタミンCの特徴や性質、働きや効果とは

みなさんはビタミンCにどのようなイメージをお持ちですか?

風邪に効く、美容に良い…と人によってさまざまだと思います。しかし、ビタミンCは私たちが思っている以上にたくさんの効能を持っている成分だったのです。ここではビタミンCの特徴や、性質、働きや効能などをご紹介します。

ビタミンCを摂取して、より健康的な体を目指しましょう。

ビタミンCとは

ビタミンCの一般名はL-アスコルビン酸と言い、1753年に英国海軍の医師によって発見された成分です。

ビタミンCは水に溶けやすく、目の結晶体や血液などで体の錆びつきをとってくれるほか、疲労したビタミンEを回復させる働きを持ちます。また、美肌のもととなるコラーゲンの生成をサポートする成分でもあります。

今では、ビタミンC点滴はがん治療の応用などに使われ始めています。ビタミンCはこのように、未来を作る成分と言っても過言ではありません。

ビタミンCの吸収

それでは、体のビタミンCの吸収率を見ていきましょう。

ビタミンCを180g、口から摂取するとその80~90%が吸収されます。しかし、1,000~5,000mgまで増やすとその吸収率は21%まで下がってしまいます。また、その分吸収される量自体は増えるのです。このときに吸収されなかったビタミンCは、大腸で乳酸菌など体にとって良い菌を増やしたり、便を柔らかくしてくれます。

ビタミンCの働き

では、ビタミンCの働きにはどのようなものがあるのでしょうか。

  • 体の免疫力を高める:風邪や感染症などにかかりにくくする、がんになりにくくする
  • コラーゲンを作る:シワやたるみなどの肌老化を防ぐ、傷を治りやすくする、毛細血管を破れにくくする
  • ステロイドホルモンを作る:ストレスに強くする
  • 鉄の吸収を助ける:貧血になりにくくする
  • メラニン色素をストップする:シミやそばかすを予防する
  • 酵素の働きをサポートする:肝臓の解毒作用を向上させる

美肌をつくるビタミンC

コラーゲンは美肌をつくる成分として有名ですよね。このコラーゲンは、体のタンパク質の3 分の1を占めているのです。コラーゲンは細胞同士をつなぎ合わせ、皮膚や骨、血管、歯などの体いたるところで活躍しています。

このコラーゲンは、ビタミンCとタンパク質、鉄とで出来ています。こういった材料が不足してコラーゲンが作られなくなると、細胞同士が離れやすくなります。血管に隙間が出来て血がにじんだり、骨が折れやすくなるなどのたくさんの悪影響が引き起こされるのです。このような現象が長期間続くと、内臓が壊れて壊血病が起こる場合もあります

そのため、ビタミンCとタンパク質や鉄を意識して摂取することが大切なのです。ビタミンCは、美肌はもちろん、健康的な骨や血液を作っていくのです。

ビタミンCはストレス解消に役立つ

忙しい現代人は、常にストレスと戦っています。そのため、ストレス解消法を何かしら持つことが必要でしょう。

ビタミンCはなんと、ストレス解消の成分としても役立つのです。人間はストレスを感じると、副腎というところからストレス対抗ホルモンを分泌させ、ストレスを乗り切ろうとしていきます。このときに欠かせないのがビタミンCの働きです。

身体的、精神的にストレスを感じたら、ビタミンCと良質なタンパク質、パントテン酸などを補給すると良いでしょう。

ダイエットをサポートするビタミンC

ダイエットを成功させるには、筋肉を落とさず、余分についた脂肪を燃焼させることが大切です。そして、その余分な脂肪を燃やすには、カルニチンというアミノ酸誘導体が必要不可欠です。

カルニチンはリジンというアミノ酸から作られます。しかし、このときビタミンCも必要になってくるのです。

効率よく健康的に痩せるには、適度な運動や正しい生活とともに、ビタミンCと良質なタンパク質の摂取が大切と言えるでしょう。

がんとビタミンCの関係

今、がん治療の一環として高濃度ビタミンC点滴が注目されています。

あるがん治療のひとつでは、全身の栄養状態を高めながら高濃度ビタミンCを点滴することで、さまざまな効果をもたらすとしています。

ビタミンCに期待される臨床応用

ビタミンCは、今後、以下のような臨床応用が期待できるでしょう。

  • がんの予防やがんの治療
  • 糖尿病の予防、合併症の予防
  • 貧血の治療
  • 美容への応用
  • 免疫力を高める治療
  • 動脈硬化症の予防

ビタミンCを多く含む食べ物とは?

ビタミンCをたくさん含む食べ物にはどのようなものがあるのでしょうか。

  • キウイフルーツ:140mg
  • 芽キャベツ:160mg
  • ゆず:160mg
  • アセロラ:1700mg
  • 青汁(ケール仕様の物):1100mg
  • 焼きのり:210mg
  • 生のパセリ:120mg
  • すだち:110mg
  • 緑茶の茶葉:260mg
  • バナナ:16mg
  • グアバ:220mg
  • 柿:70mg
  • いちご:62mg

このように、ビタミンCは果物や野菜にたくさん含まれています。しかし、水に溶けやすく熱に弱い性質を持つビタミンCなので、こういった食べ物を焼いたり炒めたり、水洗いしたり、茹でたりするとビタミンCの効力が失われてしまいます。また、冷蔵庫での保存もビタミンCを失わせると言われています。

そのため、ビタミンCを含んでいる食べ物は、新鮮なうちにさっと水洗いして生で食べることがおすすめです。こういった工夫で、少しでも多くのビタミンCを摂取することが大切です。

まとめ

いかがでしたか?

ビタミンCはこのようにたくさんの効果を私たちにもたらしてくれます。美肌だけではなく、ストレス解消やがん予防まで、意外に思った効能もあるでしょう。

ビタミンCは、水に弱い性質を持つので、ビタミンCを含んでいる食べ物を摂取するときは「新鮮なうちに生で食べる」ことを頭に入れておきましょう。

また、私たちは日々様々なストレスを感じながら生きています。ストレスで体が緊張して固くなると、肩こりや背中のコリ、手足の冷えやむくみなどを引き起こしてしまいます。こんな巡りの悪い体ではせっかくの栄養素も上手く吸収されません。ぜひ、ストレスを感じている時は、ビタミンCを意識して摂取してみてください。

食べ物からビタミンCを摂り入れることが難しい場合は、サプリなどを活用しても良いでしょう。

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