数千年前からインドで利用されているホーリーバジル。サンスクリット語ではトゥルシーと呼ばれています。
トゥルシーとは「比類なきもの」という意味で、その名のとおり、他に類を見ないほどの素晴らしい働きを持つ薬草なのです。
そんな意味からも「聖なるバジル」ともいわれています。
なかでも女性特有の症状に効果を表わし、肉体的・精神的にも女性への効果には目を見張るものがあります。
目次
「聖なるバジル」は万能薬!?
ホーリーバジルは、5000年の歴史を持つインド伝統医学アーユルヴェーダでも欠かすことのできない重要な薬草です。
肉体的・精神的、両方の面に作用する素晴らしい薬草であることから、数千年もの昔からずっと人々にとって万能薬として利用されていました。
ホーリーバジル(トゥルシー)とは
ホーリーバジルは和名を「カミメボウキ(神目箒)」と呼ばれ、メボウキ属シソ科の植物です。アジア・オーストラリアなどの熱帯地方が原産。
6月から8月にかけて開花し、白や紫の小さな花が、ふわふわの毛をまとってかわいらしく咲きほこります。
近くを通っただけで甘い香りを漂わせる、香り豊かな薬草です。
古くから民間療法として利用され、メディカルハーブの代表的な薬草として位置づけされています。アーユルヴェーダでは「不老不死の霊薬」として幅広く使われていました。
一般家庭にも広く利用され、ホーリーバジルがあれば家族の病はほぼ治せる…といわれ、各家庭に必ずといっていいほど植えられていた身近な薬草なのです。
ホーリーバジル(トゥルシー)は神の生まれ変わり
花言葉は「神聖」「祝福」「好意」
その言葉からも想像できるように、宗教的な意味合いの強い植物でした。
ヒンドゥ-教でホーリーバジル(トゥルシー)はヴィシュヌ神の妃、ラクシュミーの生まれ変わりだと伝えられています。
女神ラクシュミーは「美・豊穣・富・幸運」を司る神とされ、死神を寄せつけない魔除けの神といわれていました。
そのためインドの寺院では、神聖な場所の周りにホーリーバジルがたくさん植えられています。
万能薬といわれる理由
数百の薬効がある、といわれているほどのスーパーハーブであるホーリーバジル。
どのような効果があるのでしょうか?
- 抗菌作用
- 抗炎作用
- 抗ストレス
- 鎮痛作用
- 免疫力アップ
- 血行促進
- アンチエイジング
- デトックス
- 風邪、インフルエンザ
- 頭痛
その他にも、さまざまな症状に対して作用しますが、特に女性への効果に注目が集まっています。
女性への効果大!どのような症状を改善してくれる?
女性が持つさまざまな症状に効果を発揮します。
たとえば年齢による肉体的な衰えに伴う症状、月経による体の変化や精神的な疲労。
そして特にストレス・イライラを感じる女性への効果は以前から注目されています。
女性は自分自身の力ではどうにもならない、体や心の症状を抱えることが多くあります。
ホーリーバジルはそんな症状を持つ女性への効果に期待大です。
女性への効果1:ストレスによるイライラ
ホーリーバジルの香り成分はストレスにも効果的です。精神をリラックスさせる成分が含まれており、化粧品や香水などにも広く利用されています。
その香りとともにお茶や料理に利用することで、リラックス効果が期待できます。
ホーリーバジルはアダプトゲンといわれ、精神的ストレス、特にトラウマによるストレスや不安感、肉体疲労によるストレス、そういったものへの抵抗力を高める作用を持っています。
もともと感情に左右されやすい女性は、30代ごろからホルモンバランスも崩れ始め、精神的にも不安定になりやすい傾向にあります。
そんな女性への効果として、香りとともに精神をリラックスさせてくれる薬草ホーリーバジルは、たいへん利用価値が高いといえるでしょう。
女性への効果2: PMSの症状
ホーリーバジルには「女性を創るホルモン」といわれているエストロゲンが含まれています。
エストロゲンは閉経後に急激に減少するもので、それによって体の変化とともに、感情の変化も現れてきます。
そもそもエストロゲンは、子宮や卵巣をはじめとする女性の体に必要な成分であるため、積極的に摂取することは月経不順や生理痛にもよい影響をもたらします。
つらい症状を持つ女性への効果に有効であるため、近年とても注目されているのです。
PMSとして知られている症状にも、ホーリーバジルに含まれるエストロゲンは有効でしょう。
月経時の肉体的な不調、精神的な怒りや不安、集中力の欠如、攻撃的な態度など、こういった症状に多くの女性が悩まされています。
さまざまな症状を抱える女性への効果として、ホーリーバジルの持つ成分が症状の改善の手助けとなるでしょう。
月経に関わる悩みは、まさに女性特有のもの。そんな悩みを抱える女性への効果として、ホーリーバジルは大変ありがたい働きをしてくれるのです。
女性への効果3:更年期障害
閉経を迎える前後10年間に起こる更年期障害は、女性にとって心身ともにかなりつらいものです。
年齢とともにホルモンバランスが崩れ、不調につながっていきます。
エストロゲンの減少が原因で、体の機能がスムーズに働かなくなるのです。
自律神経の調節がうまくいかず、肉体的・精神的に不調となり、日常生活にまで支障がでる場合もあります。
ホルモンバランスの崩れ、エストロゲンの減少を改善することに、よい作用をもたらすホーリーバジル。
更年期障害の症状を抱える女性への効果にも、おおいに期待できます。
女性への効果4:ダイエット
ホーリーバジルは消化器官を強くし、代謝を上げる働きを持っています。そのため脂肪を燃焼させやすく、その影響から体重を減らす傾向にあります。
これは嬉しい女性への効果といえるでしょう。
消化器官をきれいにするデトックスの作用もあるので、食事療法を考えながらのダイエットには最適といえます。
無理なダイエットで体を痛めるのではなく、体もきれいにしながらのダイエットとして、ホーリーバジルは適しているでしょう。
女性への効果5:アンチエイジング
ホーリーバジルには、老化の原因となる「酸化」を防止するための成分が多く含まれています。
抗酸化作用として代表的なオイゲノールも含まれ、シミやシワを防ぎ、体内に積極的に取り込むことで、シミ・シワを作りにくい体質に変えていく効果もあるようです。
血行促進に有効なオメシンも含まれており、継続的に摂取していくことで、お肌が今よりも明るく感じられるかもしれません。これはたいへん嬉しい女性への効果といえるでしょう。
保湿力をアップさせるポリグルタミン酸の効果で、保湿力やバリア機能のUPも期待できます。
ポリグルタミン酸はヒアルロン酸の10倍もの保湿力があり、まさに女性への効果大!!といえるでしょう。
DHEAは若返りのホルモンであり、若さを保ち老化を促進させないようにする働きを持っています。
ちなみに抗酸化作用とDHEAを合わせることで、女性への効果としてのアンチエイジングだけでなく、体質改善としても役立ち、風邪や生活習慣病の予防にもつながっていきます。
女性への効果プラス日常の体質改善まで、さすが万能薬といわれるホーリーバジルです。
ホーリーバジルを美味しくいただくには
ホーリーバジルのアダプトゲンとは「副作用がない・無害」という性質を意味しています。
ストレス緩和と体調を整えるという条件もアダプトゲンには含まれているので、薬の副作用が心配な方にとって、また自然な体質改善を望む方に適している薬草といえるでしょう。
そんなホーリーバジルの活用法をご紹介します。
ハーブティーとして
最も香りの強い開花の時期に花を摘み取り、ハーブティーにするとよいでしょう。
近くにいるだけで、甘い香りが辺りに漂うホーリーバジル。
近づくだけでも香りますが、摘み取るときにも香りに包まれます。指先にも香りが残り、飲む前からその香りによって、ストレスを緩和してくれることでしょう。
料理にも活用
ホーリーバジルは花だけでなく、葉や茎も食用として利用可能です。
花芽ができる前の柔らかな葉や茎を料理に使いましょう。
お菓子作りにも最適です!クッキーやパンに混ぜ込むことで、香り豊かな味に仕上がるでしょう。
タイ料理のガパオライスにもホーリーバジルの葉や茎が使われています。
ガパオ=ホーリーバジルのことです。
その他にもハンバーグの中に混ぜ込んだり、さまざまな料理に活用できます。
まとめ
万能薬であるホーリーバジル。そのなかでも女性への効果を中心に解説してきました。
毎日の生活の中にうまく加えることで、イライラやつらい生理痛などの改善につながっていくことでしょう。
ホーリーバジルは生命力の強い植物なので、育てることもそう難しくはありません。
お庭やベランダで育ててみれば、その香りとともに癒やしの時間を与えてくれることでしょう。
つらい症状がある女性への効果として、強い味方となるホーリーバジル。
ぜひ、日々の生活に取り入れてみられてはいかがでしょうか?